名スカウトがリストに残した甲子園のドラフト候補

 第99回全国高校野球選手権は、今日、ベスト4が激突、いよいよクライマックスを迎える。今大会のプロ注目のドラフト候補としては、3試合連続で4本塁打を放ち、清原和博氏が1995年にPL学園時代に作った5本塁打の大会記録に王手をかけている広陵の中村奨成捕手が、1位候補として急浮上してきたが、将来の原石は、彼一人だけではなかった。元ヤクルトのスカウト部長で、古田敦也らを発掘した片岡宏雄氏に、不作と言われた今夏の甲子園で目に留まった気になる逸材をピックアップしてもらった。

「今大会は不作と言えば不作だった。私が現役のスカウトなら1回戦の途中で甲子園を去り、広陵の中村を見るために、もう一度甲子園へ戻るというパターンだったと思う。スカウトの世界で、特A評価とされる“決め手”を持った選手は、広陵の中村捕手一人だけ。続いて上位指名候補のA評価が、横浜の増田外野手。投手では、千葉県大会の段階では、私は木更津総合の左腕・山下をA評価していた。だが、B+くらいに少し評価を下げた。全体的に150キロを超えてくるストレートや、高校生離れした制球力、特殊球を持った投手が不在でA評価できる投手は見当たらなかった。伸びシロに期待する素材重視の評価になるだろう」

 片岡氏が、特A評価したのは、広陵の中村一人だけだった。

「アマチュア段階のスケールで言えば古田敦也より上だと思う。柔らかい。バッティングは難しいインサイドでさえ簡単に打つ。巨人の坂本勇人のようなタイミングの取り方がいい。その柔らかさがキャッチングにも生きていて、取ってから投げるまでのスローイングが速く、足もある。この手のタイプのキャッチャーはちょっと見たことがない。高卒でも即戦力と考えていいんじゃないか」

 片岡氏は、自らがドラフト2位で獲得した名捕手、古田敦也氏より上だとまで評価した。

 もう一人のA評価は、秀岳館との一回戦屈指の好カードで敗退した横浜で4番を打った増田珠外野手だ。好投手の川端健斗から甲子園では、ヒット1本しか記録できなかったが、神奈川県大会では本塁打を量産、U-18W杯の高校日本代表にも選ばれている。

「走攻守共に及第点。プロでは中距離バッターなのだろうがパンチ力と対応力があり、向こう気が強く、積極的にどのコースにもフルスイングできるのが頼もしい。プロ向きだろう。外野手では、他には花咲徳栄の西川、明徳義塾の西浦の2人。共に右投げ左打ちで、3拍子が揃っていて、バットコントロールがいいのが特徴。野球センスを感じる」

 増田以外の外野手では、ベスト4に進出している花咲徳栄の西川愛也、明徳義塾の西浦颯大の2人が片岡氏の目に留まった。