大会の最多本塁打記録を更新した広陵の中村は名実共に伝説の清原氏を超えたのか

プロ注目の広陵・中村奨成捕手が22日、第99回全国高校野球選手権大会、準決勝の天理戦で、大会5、6号を放ち、清原和博氏がPL学園時代の1985年に作った5本塁打の大会最多本塁打記録を一気に更新した。タイ記録となる5号は、一回表一死二塁の先制機。天理の先発、碓井涼太がサイドハンドから投じた初球の134キロのシュート。外角へコントロールミスしたボールをフルスイングすると、打球は、あれよあれよと、甲子園のバックスクリーンに飛び込み、先制2ランとなった。
 新記録の6号は、3-4の1点を追う5回。先頭打者の中村は、再び真ん中低めのシュートを逃さない。打球は、バックスクリーンの左へ。価値ある同点アーチでマンモススタンドをどよめかせた。

 中村は、この大事な準決勝で2本塁打を含む4安打7打点の大暴れ。1試合7打点は、横浜高時代の筒香嘉智が2008年に作った1試合8打点の1試合の最多打点記録にあと1点に迫るものだった。
 
 清原氏と中村の甲子園の記録を改めて比較すると、清原は5試合で5本塁打、打率.625(16打数10安打)で8打点。PL学園は2回戦から登場、清原は2試合続けて不発だったが、ベスト8に進んでから爆発。準決勝の甲西高戦では4安打2本塁打、決勝の宇部商業戦では3安打2本塁打を放ち大会記録を樹立していた。

 中村は、一回戦の中京大中京戦で右方向へ2本塁打してから注目を浴びて、5試合で6本塁打、打率.695(23打数16安打)で17打点。本塁打記録だけでなく、塁打数も「38」となり、2009年に中京大中京の河合完治が持っていた「28」を大幅に抜き新記録、また大会最多打点も大阪桐蔭の萩原圭悟が2008年にマークしていた「15」を更新した。花咲徳栄との決勝戦を1試合残しての記録で、最多本塁打記録を含めて、さらにこれらの記録を更新する可能性は高い。

 数字の上では、中村は伝説の清原和博氏を超えた。中村本人は「正直、記録を超えたという感じはないんですが打ててよかったという思いが強いです」と謙虚だったが、中村は、清原氏を名実共に超える逸材なのか。

 元千葉ロッテの里崎智也氏は、「まず環境も対戦相手も違う2人の記録だけをもってして中村選手が上、清原氏が上と比較することがナンセンス」と、持論を展開した。

「当時の清原氏は、1年生から注目を集め大会前からスーパースターでプレッシャーのかかり方が中村選手とは違った。その中で打った5本と、大会に入ってから注目を浴びた中村選手の6本を同じ土俵で議論することは、まず清原氏に失礼だと思う。中村選手が高校生の中では突出した存在であることは疑いはないだろう。ボールを取ってから送球までの動作は速いし肩も強い。バント守備にしても一歩目の動きが早い。詳しくすべての打席を見たわけではないが、バッティングにしてもトップクラスだ。
 プロで西武の炭谷銀仁朗以来、10年以上出ていない高卒のレギュラー捕手の壁を中村選手が破れるかどうかへの期待も高い。だが、プロの捕手はやるべき仕事が多く、打たなくては使い続けてもらうことは難しいだろうし、何しろ143試合を戦う体力が必要になる。甲子園で結果を出し、プロでも1年目から結果を残した清原氏と中村選手を比較することはおかしいというのが私の意見」
 
 つまり本塁打記録を含む数字だけで単純比較できない、という結論だ。

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