ディスカウント店大手のドン・キホーテが29期連続の営業増益となる可能性が高まってきました。ドンキ流のビジネスもそろそろ一服するのではとの声も聞かれますが、同社は次世代に向けた新たな成長戦略を練っているようです。

写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

 ドン・キホーテを運営するドンキホーテホールディングスは2018年6月期の業績について、営業利益が480億円になる見通しを明らかにしました。同社は2017年6月期の決算で28期連続の営業増益を達成していますが、この業績見通しが実現すれば29期連続の増益となります。

 同社は、天井まで商品を高く積み上げ、あえて見通しを悪くするという「圧縮陳列」や、別の事業者が運営していた店舗をそのままの状態で引き取って出店する「居抜き」を活用した店舗戦略、さらには年間1000アイテムを超える独自商品の開発など、他社にはないユニークな手法で業績を伸ばしてきました。

 しかし、こうした一風変わった戦略は、ニッチな存在のうちは効果を発揮しますが、メジャーな存在になってくると、逆に顧客の間口を狭める可能性も出てきます。現在のドンキは、グループ全体では370店舗となっており、もはやニッチビジネスとは言いがたい状況です。

 同社は2020年までに店舗数を500まで増やす計画を明らかにしていますが、店舗のあり方についても根本的に見直す方針です。詳細はまだ明らかになっていませんが、同社が計画している次世代型店舗では、ITを駆使し、顧客ごとに最適な買い物ができるようサポートする体制が構築される予定です。

 具体的にはスマホのアプリや顔認証技術などを活用し、顧客ごとに最適なお勧め商品を提案することで顧客の購買意欲を高めます。顔認証技術は駐車場にも応用される見込みとなっており、自動車で来店した時には、顔認証によって自動的に駐車場のドアが開く「顔パス」のサービスが検討されているようです。

 同社では店舗内で使える電子マネーである「majica」のサービスを提供していますが、majicaの会員数はすでに500万人を突破しました。この会員をフル活用し、ITを使って顧客に合わせた商品を提案していくというのが基本的な方向性です。ちなみに同社は銀行業への参入など、金融ビジネスとの組み合わせも視野に入れていることを明らかにしています。

 一連の取り組みは、米アマゾンに近い考え方といってよいでしょう。米アマゾンは無人コンビニを計画するなど、ネットからリアルという流れですが、ドンキの場合にはリアルを主戦場に同じようなアプローチを試みることになります。

(The Capital Tribune Japan)

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします