2017年4~6月期のGDP(国内総生産)で、ポジティブサプライズがありました。年率換算でプラス4.0%と予想外のよい数字だったのですが、日本経済の復活は果たして本当なのでしょうか。

写真:アフロ

 内閣府は14日、2017年4~6月期のGDP速報値を発表しました。物価の影響を除いた実質はプラス1.0%(年率換算ではプラス4.0%)と過去2年ではもっとも高い成長率を記録しました。これまでも5期連続でプラス成長は維持していたものの、デフレが進んだことで名目GDPと実質GDPの逆転現象が発生するなど、本格的な景気回復とはほど遠い状況が続いていました。今期の数字だけで断言することはできませんが、日本経済が成長フェーズに入っていることを示す兆候がいくつか見られます。

 もっとも評価してよいのは個人消費が大きく伸びたことでしょう。個人消費は日本のGDPの約6割を占めており、景気動向を決定付ける最大の要因となっています。アベノミクスのスタート以後、低迷する個人消費を政府支出や公共事業が補うという状況が続いており、企業も設備投資に対して消極的でした。ところが今期の個人消費はプラス0.9%と予想外によい数字となりました。新車や家電製品の販売が好調だったことが大きく影響したようです。

 個人消費が拡大したのは、米国や欧州における好景気の影響がようやく国内にも波及してきたことが主な要因と考えられます。昨年の夏頃をボトムに世界経済は回復基調となっており、米国や欧州では消費の拡大が続いています。日本の製造業は米国市場を主戦場にしているところが多く、好調な北米市場を背景に、関連企業において生産拡大や賃上げが進み、国内労働者の安心感が高まってきた可能性が考えられます。

 一部の労働者の支出が増えると、国内のサービス業も活性化しますから、うまくいけばそこから経済の好循環が始まるわけです。

 今回の結果だけで日本の景気がよくなったと断言することはできませんが、個人消費の拡大が今後も続くようであれば、持続的な成長フェーズに入った可能性も考えられます。世界景気は当面の間、堅調に推移するとの見込みですから、日本経済もそれに合わせて拡大を続けることができるかもしれません。

 もっとも今回の数字はラッキーだったとの声も聞かれます。来期以降も同じ水準の成長を続けるには、さらに多くの企業で賃上げが進み、労働者の可処分所得を増やす必要があります。賃金と生産性には密接な関係がありますから、まさに働き方改革の成果が問われることになるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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