ハリルホジッチ監督は、国内組だけで戦うE-1選手権で何を試したいのか?(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

  味の素スタジアムを舞台として、12月9日に開幕するEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会に臨むハリルジャパンのメンバーが29日、日本サッカー協会から発表された。

 国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際Aマッチデー以外の開催となる関係で、前身の東アジアカップ時代から、この大会には海外クラブに所属する選手を招集できない。

 加えて、先のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝を制した浦和レッズ勢も、アジア代表として臨むFIFAクラブワールドカップ2017と日程が重複するためにリストから外された。

 そうした状況のなかで、5人の初代表組を含む23人を国内組から選出した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、自身が指揮を執りながら北朝鮮、中国、韓国代表相手に1勝もできず(2分1敗)、最下位に終わった2年前の大会へのリベンジの思いを込めながらこんな檄を飛ばした。

「今回はホームで戦うため、目標は優勝であるべきだ。そして、来年行われる地球規模の大会であるワールドカップへ向けて最終ストレートに入る前の、最後のテストとなる。Jリーグの選手たちにとっては自分を見せて、A代表に立候補する素晴らしい機会だと思っている」

 来年6月に開幕するロシア大会を戦う日本代表は、海外組を中心に骨格はほぼ固まりつつある。基本的なフォーメーションも「4‐1‐4‐1」が軸になりつつあるなかで、流動的なポジションもある。

 たとえば、いま現在は浅野拓磨(シュツットガルト)と久保裕也(ヘント)が併用されている2列目の右サイド。センターフォワードタイプの前者は右サイドを抜け出してからのプレーが正確性を欠き、後者はヘントと代表でゴールを量産した昨シーズン後半の勢いが影を潜めている。

 

 その右サイドに初招集されたのが伊東純也だ。神奈川大学からヴァンフォーレ甲府を経て、昨シーズンから柏レイソルでプレーする24歳は、50メートルを5秒8で走破するJリーグ屈指の韋駄天ぶりが武器。スピードに乗ったままのクロスや、中へ切れ込んでからの左足によるシュートなど、右サイドを縦に抜け出してからのバリエーションも豊富だ。

 10月に柏の試合を視察し、伊東に対して「興味深い選手だ」と言及していたハリルホジッチ監督は、都内で行われたメンバー発表会見でも高い評価を与えている。

「スピードがあって仕掛けられ、違いも生み出せる面白いタイプの選手だ。90分間を通してアップダウンを繰り返すこともできるし、規律を守れる選手でもあるだろう」

 最終ラインの前に逆三角形型で配置される中盤は、アンカーを務めるキャプテンの長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)が絶対的な存在を放つ。しかし、今春にメスを入れた右ひざの状態が安定せず、ブンデスリーガでも常時出場していない。

「ワールドカップに出られない、という最悪の事態も想定して準備しなければならない」

 長谷部の不在時にアンカーを任せる予定の山口蛍(セレッソ大阪)も、右ふくらはぎを痛めて今大会のリストから外れた。6月以来の復帰となった今野泰幸(ガンバ大阪)、21歳ながら鹿島アントラーズでレギュラーを務める初招集の三竿健斗らの適性が試されることになるだろう。

 インサイドハーフも山口と井手口陽介(G大阪)が居場所を築きつつあるが、ゴールを奪いにいく試合展開でオプションとなる選手が不在だ。先のヨーロッパ遠征で抜擢された森岡亮太(ワースラント・ベフェレン)も、強烈なインパクトは残せなかった。

 ゆえに昨年9月以来の招集となる大島僚太(川崎フロンターレ)、けがもあって3月を最後に遠ざかっていた清武弘嗣(C大阪)に期待がかかる。特に後者は、代表チームに「FKのキッカーがいない」とぼやく指揮官の悩みを解消させるだけの高精度を右足に宿している。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします