大げさではなく、この国の野球を今後どうしたいのか、という問題である。西武の菊池雄星が2試合にわたって「2段モーション」だと判断された反則投球問題。菊池は、5月からフォームを2段階に足を上げているような形に改造、その後、審判団は複数回注意を与えていたというが、試合で反則投球を取られることなく、4か月後の8月17日の楽天戦で、2回1死から2球連続で反則投球の宣告を受けた。注目の次戦となった24日のソフトバンク戦でも初球に反則投球を宣告され、明らかに戸惑った菊池は、クイックに投法を変えても集中力が途切れ3回でKOされた。

 西武の辻監督ら、現場スタッフは怒り、球団も正式に抗議の文書を提出。菊池自身は、今後、本格的なフォーム改造に取り組む決意を固めたという。

 では、これで一件落着と考えていいのだろうか。
 この反則球問題の本質は、どこにあるのだろう。

 まず、NPBの審判団の説明のように5月の時点で菊池の投法を問題視していたのであれば、その時点で躊躇せず、反則投球を取ればどうなのか。

 野球協約では、(a) ワインドアップポジションの(1)と、(b) セットポジションの(2)には、 打者への投球に関連する動作を起こしたならば、中途で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなけれぱならないとある。また両項でいう「中途で止めたり、変更したり」とはワインドアップポジションおよび、セットポジションにおいて、投手が投球動作中に、故意に一時停止したり、投球動作をスムーズに行なわずに、ことさらに段階をつけるモーションをしたり、手足をぶらぶらさせて投球することである。とされている。
 この規約に照らし合わせて、菊池のフォームを反則投球と判断したのであれば「複数回注意した」ではなく、その場で即、反則投球と認定すべきである。

 5月に反則と判断したフォームと、この8月下旬に反則をとったフォームが同じならば、ここまで取らずに流していたことが問題である。

 元千葉ロッテで、評論家の里崎智也氏は、「審判の個々の判断に任せ、定義があいまいなところが問題なんです。西武の辻監督も主張していますが、2段モーションと見受けられるフォームは野球界の中で、菊池一人だけではありません、ロッテの湧井やヤクルトの小川、楽天の高梨や菊池がアウトならアウトでしょう。ロッテの石川あたりもギリギリかもしれません。なぜ個々の審判によって判断がまちまちなのか、が問題なのです。そもそも2段モーションは、なぜ厳格にとるようになったのですか? 考えてみましょうよ」と言う。

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