メイウェザー(左)がマクレガー(右)にTKO勝利した試合を米メディアは好意的に報道した(写真:ロイター/アフロ)

プロボクシング無敗の元5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(40)と総合格闘技UFCの2階級王者、コナー・マクレガー(28)のボクシングルールによる世紀の一戦は、戦前の予想通りにメイウェザーが10回1分5秒にTKOで圧勝した。メイウェザーに2年のブランクという不安があったといえ、総合格闘家が相手の土俵のボクシングルールで、元5階級王者に勝負を挑むこと自体に無理のあった試合だったが、辛口の米国メディアは、この試合をどう評価して、どう報じたのか。

 ロサンゼルス・タイムズ紙は、マクレガーが勢いのあるスタートを切った最初の3ラウンドに「(3ラウンドまでは)ボクシングにも格闘技にも見えなかった」と、注目。その上で、「4ラウンドからメイウェザーは強打を打ち始めて止まることはなかった。マクレガーがアザだらけになり、腫れ上がって、10回TKOで勝つまで、打ち続けることは十分予想された展開だった。どの点から見ても予想通りに馬鹿らしい試合だった。マクレガーのボクシングは滅茶苦茶で、メイウェザーのボクシングも少し鈍っていた。しかし、面白い夜だった。最終的にはボクサーがボクシングの出来ない者に勝った」と、表現した。

 メイウェザーの「私達はファンが見たいと思っていたものを見せた」というコメントと、マクレガーの「とてもいいファイトだった。面白かった。ボクシングの試合は格闘技の試合とは全く違った」と言ったコメントも取り上げた。

 同紙は、さらに「メイウェザーはプロボクシングを生涯で初めてやる者に対し、人が想像するようなことをきっちりとやった。ただ、皆が思ったよりも試合が少し長引き、最後は決まりが悪かった」と、予想以上にマクレガーが奮闘したことに触れ、総合格闘技UFCのダナ・ホワイト代表の「コナー・マクレガーはファイターであり、今晩、私達はれっきとしたファイトを見た。今日の一戦がこれまで見た中で一番かどうかはわからない。しかし、私達は“ファイト”を見た」というマクレガーを称えるコメントを紹介した。

 そして、予想通りの結果であったにも関わらず、この試合がエキサイティングだったのは最初の9分(3ラウンド)が理由だと述べ、「誰もが予想もしないことを望み、これまで見たこともないことを見るためにこの一戦を見た。そしてマクレガーは、まるで何の計画もなく、何をすればいいかわからないまま戦いを始めたストリートファイターのような姿を見せた」と、マクレガーのファイティングスタイルを評価した。

 同記事は最後に「リング上で(エンターテインメントを意味する)ハリウッドのようなことが繰り広げられた試合だった。試合とは、断言できない試合だった。ボクシングというよりも、毒舌や演出が先行した2か月に及ぶプロモーションのエンディングという方が合っていた。こういうもののために誰もがお金を払ったのではないのかも知れない。しかし払うだけの価値のあるものだった」とまとめた。
 つまり、試合前の煽りから含めて、ボクシングでも格闘技でもない「ショー」だったが、それはそれでチケットやPPV視聴料分の価値があったと評価したのである。

 ワシントンポスト紙も、「プロボクシングの経験がないマクレガーが10ラウンドまで粘った」とマクレガーの善戦ぶりを称賛した。
「マクレガーは、このファイトを面白いものとしたことを評価されるべきだ。早い段階での彼のどう猛な攻撃ぶりはファンや専門家を印象づけた」と、ボクシング初挑戦のマクレガーの戦いを評価した。