2年ぶり代表復帰の柴崎岳が対豪州戦への決意(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

約2年ぶりに日本代表へ復帰したMF柴崎岳(ヘタフェ)が、29日にスペインから帰国。オーストラリア代表とのW杯アジア最終予選第9戦(31日、埼玉スタジアム)へ向けて、埼玉県内で合宿中のハリルジャパンに2日遅れで合流した。

 勝てば6大会連続6回目のW杯出場が決まり、引き分け以下ならグループBに与えられた2枚のロシア切符をめぐる、サウジアラビア代表を含めた三つ巴の争いが混戦を極める大一番へ。

 鹿島アントラーズ時代に5つのタイトル獲得を経験し、昨年末のFIFAクラブワールドカップ決勝ではレアル・マドリードから2ゴールを奪った25歳は、淡々とした口調のなかに闘志をのぞかせた。

「日本代表が置かれた状況も、この試合がもつ意味も理解しています。こういった舞台に慣れていると言ったら何ですけど、鹿島のときもそうですし、大一番という意味をもつ試合は何度も経験させてもらっているので。また違った意味の試合ですけど、自分が出たら結果を残して導いていきたい」

 ボランチとして先発した、2015年10月13日のイラン代表との国際親善試合を最後に日の丸から遠ざかった。その間に所属チームはアントラーズからリーガ・エスパニョーラ2部のテネリフェ、そして今夏からは同1部のヘタフェへと変わった。

 ヘタフェでは「10番」を託され、開幕戦から2試合連続で先発出場を話した。もっとも、決して順風満帆な軌跡を歩んできたわけではなかった。わずか半年ほど前は、文字通りどん底にいた。

 プロになったときから夢として抱いてきた海外移籍を実現させたのは、移籍期限ぎりぎりとなる今年1月31日。当初濃厚と見られたリーガ・エスパニョーラ1部のラス・パルマスではなかったが、それでも夢と希望を胸に秘めてテネリフェの一員になった。

 しかし、言葉や食事を含めた文化や風習と、すべてが日本と異なる環境になかなか順応できない。チームの全体練習に参加するまで1ヶ月、リーグ戦でデビューを果たすまでさらに半月ほどの時間を要した。

 精神的な面で苦闘を強いられた日々を、笑みを浮かべながら振り返ることができる。いまでは新天地スペインで、余裕を感じられるようになった証といっていい。

「すべての環境が違うので苦しいこともありましたけど、それらは自分を成長させてくれるものなので。慣れちゃえば、(日本と)違った環境でもいまは楽しく感じられる。海外でプレーしている日本人選手はあらためてすごいと感じましたし、尊敬もしています。
 そういったタフな環境というか、異国の地でプレーすること自体が大変なことというのは、実際に行ってみないとなかなか理解できないところがあると思ってもいた。それらをわかったことで、選手としても人間としても、こうやって大きくなっていくんだと感じています」

 テネリフェでは瞬く間に必要不可欠な存在となり、チームを1部への昇格プレーオフへ導いた。敗れたものの、ホームとアウェイで行われた決勝の2試合でともにアシストを記録し、最後まで苦しめたヘタフェからラブコールを送られる存在になった。