写真:アフロ

 9月から新学期が始まる学校も多く、久しぶりの学校で居場所を見つけられるか不安に思う子供もいるだろう。今年6月に発表された、政府の2017年版の「子供・若者白書」によると、若者にとって「居場所」と感じられる場は、「自分の部屋」「家庭」に次いで「インターネット空間」が3位につけており、「学校」を上回った。学校に居場所が感じられないと周りとの関係はどう変化するのか。専門家は「教室にどうしても居場所が見つけられない場合は、学校の保健室や、フリースクールなどといった第3の居場所や第3の大人が必要だ」と話す。

ネット空間に居場所を感じる一方、つながりは希薄と回答

 2017年版の白書では、「若者にとっての人とのつながり」を特集している。調査は内閣府が実施し、2016年12月に15~29歳の6,000人を対象にインターネットで行われた。

 それによると、居場所を、自分の部屋、家庭、学校、職場、地域、インターネット空間の6つの場に分け、それぞれ自分の居場所と思うかをたずねたところ、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせて、自分の部屋(89.0%)、家庭(79.9%)、インターネット空間(62.1%)が、比較的高い割合を占めた。一方で、学校は49.2%、職場が39.2%、地域が58.5%となり、学校を自分の居場所と感じている人の割合が5割を下回る結果だった。

 インターネット空間を自分の「居場所」だと感じる若者が多い一方で、強いつながりを感じているとは言えない結果が出ている。

 つながりの対象を、家族・親族、学校で出会った友人、職場・アルバイト関係の人、地域の人、インターネット上の人の5つのカテゴリーに分け、「楽しく話せる時がある」、「何でも悩みを相談できる人がいる」「困ったときは助けてくれる」「他の人には言えない本音を話せることがある」「強いつながりを感じている」という5つの他者との関わりを示す項目についてそれぞれ質問したところ、

 インターネット上の人と「楽しく話せる時がある」と回答した者の割合は37.5%、「困ったときは助けてくれる」は21.8%、「強いつながりを感じている」は21.8%となり、家族・親族や学校で出会った友人と比べて、つながりを感じている若者の割合は低かった。

 家族・親族とは「楽しく話せる時がある」と回答した者の割合は81.0%、「困ったときは助けてくれる」は78.4%にのぼり、学校で出会った友人とは、「楽しく話せる時がある」と回答した者の割合は76.9%、「困ったときは助けてくれる」は65.0%、「強いつながりを感じている」は59.6%となり、「リアル」の家族や友人には強いつながりを感じていることがわかる。

 インターネットの利用についての意識をたずねた質問をみると、「場所を問わないので参加しやすい」については71.9%が「そう思う」と回答した。「情報発信・収集の手段として活用できる」との回答も70.7%にのぼった。また、「自分や相手の気持ちが伝わりづらい」(68.8%)、「自分の情報が悪用されそうで心配だ」(62.8%)と答えた若者の割合も高かった。

 白書は「他者と関わる際にインターネットを利用することについて、手軽さや利便性を感じている一方、他者との意思疎通などコミュニケーションの質については、物足りなさや不安を感じている様子がうかがえる」としている。

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