本来右投げ右打ちのダルビッシュ有は左打席に入ってヒットを打った、その狙いとは?(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ドジャースのダルビッシュ有(31)が2日(日本時間3日)にサンディエゴで行われたパドレスとのダブルヘッダーに先発、8安打5失点と崩れ、メジャー自己最短となる3回0/3で降板して11敗目を喫した。
改造中の新フォームがまだ安定していないものだが、その状況と共に、バッティングも注目を浴びた。本来、右投げ右打ちのダルビッシュが左打席に入って移籍初ヒットを記録したのだ。その理由とは……。

 二回、三塁側のネクストバッターズサークルから歩いてきたダルビッシュ有(ドジャース)が右打席を通過すると、記者席がどよめいた。やがて方々から、こんな声が漏れている。

「おい、左打席に入ったぞ」

その打席では三振に倒れ、移籍後9打席9三振となったが、2球目を振るとそれがファールになった。不慣れな左打席でバットに当てたのである。4回の2打席目は、1ボールからの2球目ーー低めの難しい球を、図ったように左方向へきれいに流し打ち、ショート内野安打を記録。それが今季初安打ともなった。

 試合後の会見。ダルビッシュはまず、こう口にした。

「今日は、バッティングのことだけで」

 よほど、胸を張りたかったのかもしれない。

 過去、ダルビッシュが左打席に入ったのは、昨年7月16日のカブス戦で一度あるだけ。このときは明確な理由があった。

「打つのが、右ひじがしなるのがちょっと怖いなと。それで変に、肘をやるのが怖いから、左だったら大丈夫かなと」

 ちょうど、右肩の張りから戻ってきて、最初の試合。もちろん、5月終わりにトミー・ジョン手術から戻ってきたばかりでもあり、打ったときの右肘への衝撃を恐れた。今回も左打席に入ったのは、ドジャースに移籍して最初に登板したメッツ戦で空振りをしたときに左の親指を痛めており、それがきっかけではある。

「親指を痛めちゃって、その痛みが怖いから、やっぱりバッティング練習も怖いというか・・・」

 ただそのとき、左で打ってみると、思ったより「球が見える」ことに気づいたのだという。

「(自分は本来)左バッターだったのかなって、今になって、ほんとに(笑)」

 実感したのは、バント練習のとき。

「左に立つと、球が随分見えるので、バントもめちゃくちゃうまい。サード側もそうだし、ファースト側も出来る」