今オフのFAの目玉、日ハムの中田翔だが獲得最有力と見られた阪神が撤退の方向へ

阪神は今オフのFAの目玉である日ハムの中田翔(28)の獲得調査をスタートさせているが、球団内で撤退論が強く起きていることが明らかになった。一塁しか守れず、セ・リーグでは必然的に起用法が狭まってくる中田をFA補強するよりも、生え抜きの若手育成を優先させるべきという考え方。阪神では、億単位の予算が必要な補強に関しては取締役会の承認が必要で、今後も引き続き獲得の是非について球団内で議論されるが、もし中田がFAを宣言した場合に、必至となる争奪戦からの撤退が濃厚になってきた。
 
 阪神にとって右の和製大砲の誕生はチームの悲願だった。30本塁打以上を放った日本人の右打者は、優勝した1985年の岡田彰布氏、真弓明信氏以来、出現していない。
 
 今季は、大不振の中田だが、昨季までは5年続けて20本塁打以上を記録、打点も3年続けて100打点をマークしてタイトルも獲得している。「セ・リーグの球場はパ・リーグに比べて狭いところが多い(神宮、東京ドーム、横浜スタジアム)ので本塁打は増える」は、元千葉ロッテの里崎智也氏の持論だが、レフトへの浜風が吹く甲子園も右打者が有利だ。
 
 そして何より今季の阪神は一塁を固定できなかった。開幕から原口文仁を一塁に専念させたが、好機に凡退を繰り返したため中谷将大が起用され、シーズン途中には新外国人のロジャースを獲得したが、彼もまた調子の波があり、現在は、本来三塁のドラフト1位のルーキー、大山悠輔を一塁で起用している。

 原口だけでなく、新人王を獲得した2年目の高山俊が壁にぶちあたり、今季のレギュラー固定が期待されていた北條史也も前半戦は伸び悩んだ。金本監督は厳しい競争の原則をチームに持ち込んでいるが、中田が加われば、さらにチーム内競争を刺激することができる。

 しかも、大阪桐蔭出身の中田を、阪神は2007年にドラフト1位指名していた縁もあり(クジで外れて現在ロッテの高濱卓也を指名)、大阪桐蔭の先輩、西岡剛とは共にオフに自主トレでハワイへ行く仲。同じく広島出身の金本監督とは、現役時代から広島のトレーニングジム「アスリート」を通じて親交があった。

 中田がFA宣言を行使した場合、それなりの条件を持って金本監督が口説けば断られる理由はないだろう。

 だがここにきて、その中田獲得に関してチーム内に撤退論が強く出てきた。

 昨年は、オリックスから36歳の糸井嘉男をFAで獲得、40歳の福留孝介、36歳の鳥谷敬、33歳の西岡らのベテランがいて、さらに来年29歳になる中田がここに押し入れば、金本監督が我慢しながら推し進めている若手育成の障害になるのではないか、という意見だ。

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