14歳の張本の世界ランクが13位に浮上した(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 卓球の男子選手で今、一番の伸び盛りといえば、「チョレイ!」の雄叫びでおなじみの張本智和(JOCエリートアカデミー)だろう。9月5日、国際卓球連盟(ITTF)が発表した最新の世界ランキングで20位から13位にジャンプアップ。先月開かれたITTFワールドツアー・チェコオープン(オロモウツ・8月22から27日)では、わずか14歳61日の若さでシングルス初優勝を果たし、ツアー史上最年少記録を更新した。

 また3カ月前の世界選手権(デュッセルドルフ・5月29日〜6月5日)同種目でも、当時13歳でベスト8に入り、これも大会史上最年少記録となった。

 もともと張本は、日本卓球協会強化本部長でJOCエリートアカデミー総監督の宮崎義仁氏が「100年に1人」と太鼓判を押す逸材である。
「才能もメンタリティーの強さも桁外れ」と宮崎氏。とりわけ今年になってからは精神面の成長が目覚ましく、チェコオープンでベンチコーチについた男子日本代表の倉嶋洋介監督も、「課題にしてきた試合中の冷静さが感じられた」と舌を巻いた。

 だが、今年の初めを振り返れば、競り合いになると焦りが出てミスをする精神的なもろさや、試合後半にフォームが崩れるフィジカルの弱さがあった。弱点がもろに出たのが1月の全日本選手権(ジュニアの部)。 優勝候補の筆頭に挙げられながら準々決勝で敗れ、試合を終えた張本は「今までで一番悔しい」と人目もはばからず大粒の涙をこぼした。特にこの時は、前月の世界ジュニア選手権(ケープタウン・2016年11月30日〜12月7日)で日本人初の単複優勝を果たしたゆえのプレッシャーや疲れも大きくのしかかっていた。

 あれから1年もしないうちに、世界の強豪と渡り合う強さを張本は、いかにして身につけたのか。そこには強い精神力を支える高い技術の習得がある。

 最も顕著なのはフォアハンドの強化だろう。
 強い回転をかけるフォアドライブの威力が増し、「フォアで決めるポイントが多くなってきたので、打ち合いで格上の選手に負けなくなった」と本人も話している。さらにフォア前(フォア側のネット際)に落ちる短いサーブを、身を乗り出してコンパクトにレシーブするフォアフリックの鋭さが増し、これをクロスとストレートに巧みに打ち分ける技術も磨かれ、レシーブで攻撃を仕掛けられるようになった。

 これらフォアハンドのレベルアップは、以前ならラリーになると後ろへ下げられ受け身に回っていたプレーから一転、卓球台から離れず素早く攻撃や守備に転じる前陣プレーを可能にし、得点力につながっている。

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