マリナーズの岩隈も2段モーション修整に苦悩した(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 菊池雄星(西武)の2段モーション問題が日本のプロ野球界で騒動となった。菊池はすでにフォームを修正、7日のロッテ戦では、自己最速の158キロをマークしてスライダーが冴える内容で4安打完封を演じた。14勝目を飾り2段モーション問題を終結させたことになったが、そもそも国際化を理由に2006年から導入された2段モーション禁止の厳格化は、メジャーのルールに照らし合わせたものだったのか。

 楽天に所属していた当時、2段モーション禁止の“犠牲者”となったのがマリナーズの岩隈久志である。

 まず岩隈と一緒に、菊池がボークを宣告されたときの映像を見ると「う〜ん、一連の動作にも見えるけど」と言いつつ、こう続けた。

「今の日本だったら、これは2段モーションだって言われますよ。しょうがない。ちょっと、修正しないと」

 野球規則委員会が「2段モーションなどは不正投球とする」という見解を示したことに対し、NPB(日本野球機構)が、承認したのは2005年4月のこと。その年の7月、監督会議で通達し、翌年から2段モーションは以下の規則に抵触するとした。

 野球規則8・01(a)ワインドアップポジション(b)セットポジションでは「投手は、打者への投球に関する動作を起こしたならば、中途で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない」

 当時、この“解釈の変更”に伴って投球フォームの変更を余儀なくされた一人が、岩隈だ。

「あの頃、番長さん(三浦大輔氏)や斉藤和巳さん(現評論家)もそうだった。少なくなかったですよね」

 もっとも、2005年に2段モーションが禁止になると決まったあとも、来年からはダメだぞーーといったことを「審判や、球団からも言われたことはなかった」と岩隈は振り返る。
 ただ、「やはりあのとき、あのままだったら、(2段モーションだと)言われていたと思う」と岩隈。「雄星と同じで、立ったまま2回足が上がる。縦の状態だったので」。

“縦”とはつまり、軸足で立ったまま踏み出す足の膝が上下すること。そうすると違反を取られるーーというのが、選手らの認識になった。

 しかし、そこが一番の問題であるならば、菊池に限らず、疑いを持たれている投手らは、ちょっとした工夫で違反を回避できる可能性がある。

 岩隈は、「(菊池の場合)2回目に足を上げるとき、(上下の)幅を小さくして、少しひねりを入れながら前に動けば、(ボークを)取られないはず」と話したが、それは自らが通った道でもあった。

「今も僕は2段モーションっぽく見られるけど、そうしてるわけじゃなくて、しっかり足を上げて、投げるときにもう1回お尻を入れると、自然に“ピッ”っと足が上がっていく」

 その、ピッと足が上がった時にはもう、体が打者の方向に体重移動が始まっている。

「(クレイトン・)カーショウもそれに近いですよね。僕は2006年に直してから、フォームを変えてませんけど、メジャーではもちろん、日本でやっているときでも、なにか言われたことはありませんから」

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