年内の上場が噂され、もし実現すれば1000億円超の時価総額になるといわれるメルカリですが、フリマが社会に認知されるにしたがって、想定外の出品も増えてきています。メルカリは社会を映す鏡のような存在といえるかもしれません。

1万円札の出品は「ヤミ金融」

 メルカリは起業家の山田進太郎氏が2013年7月に立ち上げた中古品売買を仲介するサービスで、スタートと同時に急成長し、現在では月間の流通額が100億円を超える巨大サービスとなりました。

 メルカリへの出品が当たり前になるにつれて、当初は想像もしなかった商品を目にする機会が増えてきました。最初に世間を驚かせたのは、やはり現金の出品でしょう。

 今年前半、メルカリに額面を上回る値段で1万円札が出品されていたことがネットで大きな話題となりました。アンティークではない現行の紙幣を、なぜ高い値段で購入するのかと多くの人は不思議に思いましたが、実態は形を変えたヤミ金融でした。

 現金を購入すればすぐにそれが手に入りますが、支払いについてはクレジットカードや携帯キャリア決済にすれば後払いが可能となりますので、額面との差額が金利に該当するわけです。メルカリではこうした事態を受け、現金の出品を禁止しています(アンティークを除く)。

読書感想文の出品が話題に

メルカリのホームページ

 最近では原稿用紙に書かれた読書感想文が出品されていると話題になっています。これは購入者が、そのまま夏休みなどの課題として提出することを想定したものと考えられますから、一種の宿題代行ということになるでしょう。

 現金の出品や読書感想文の出品は、当然のことながらよいことではありませんが、ヤミ金融も宿題代行業者も現実に存在しており、その活動場所がメルカリだったというだけに過ぎません。

 メルカリは運営事業者として、こうした不適切な利用について目を光らす義務がありますが、一方で、メルカリのような事業者だけを責めても本質的な問題解決にはならないでしょう。学校の現場ではすでに多くの宿題代行業者がビジネスをしており、一部の家庭ではお金で宿題を買っているというのが現実だからです。

 メルカリのようなサービスには、これまでなかなか表面化しなかった出来事をネット上で可視化してくれるという「想定外」の機能があります。一連の出来事を社会で共有化することで、健全な社会に向けて議論するなど前向きな発想が必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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