「第102回二科展」で入選を果たした「乃木坂46」の若月佑美(左)と「欅坂46」の佐藤詩織(右)

 アイドルグループ「乃木坂46」の若月佑美と「欅坂46」の佐藤詩織が、今月6日から18日まで東京・国立新美術館で開催される「第102回二科展」で入選を果たした。

 同展には計1004作品が応募があり、そのうち352作品が入選、さらに32作品が入賞した。そんな中、若月は自由テーマのポスター部門(A部門)で6年連続となる入選。

 現在も美大に通う現役女子大生の佐藤は自由テーマのマルチグラフィック部門(D部門)で初入選するとともにD部門の「奨励賞」も受賞した。

 過去にも多数の著名芸能人が入選や特選を受賞しているが、美術界において「二科展」とはどのような位置づけなのだろうか?

日本三大美術展の一つ

「二科展(二科会展覧会)」は「日展(日本美術展覧会)」、「院展(日本美術院展覧会)」と並ぶ日本三大美術展の一つ。

 美術団体の「二科会」が主催し、現在は絵画、彫刻、デザイン、写真の4つの部門があり、画家への登竜門としても知られている。

 過去には岸田劉生や佐伯祐三、小出楢重、中川一政などの著名な芸術家を多数輩出し、「太陽の塔」などの作品で知られる岡本太郎とも縁が深い。

 美術雑誌の編集者は、「二科展」の特長について語る。

工藤静香ら芸能人の作品も多く入選

「『二科展』は、主催する『二科会』が日本の美術団体の中でも新しいものをどんどん取り入れていこうというリベラルな気風が強いこともあり、『日展』、『院展』に比べると間口が広い印象はありますね。そういう意味では、芸能人や著名人の方々にとっては相性が良いと言えるかもしれません」

 実際、過去には絵画部門で入選20回を果たし、2010年には特選も受賞した歌手・工藤静香をはじめ、石坂浩二や五月みどり、八代亜紀、押切もえなども、その作品を高く評価されている。

 こうした背景もあり、一部ではほかの美術展よりも「審査が甘いのでは?」といった声もあるが……。

「二科会」のリベラルな気風を反映

 「『日展』や『院展』に比べると、多少粗削りな作品でも評価されやすいというイメージはあります。ただし、それは審査が甘いというのではなく、主催の『二科会』のリベラルな気風が反映されているのだと思います。そもそも、『二科会』は過去を尊重しつつも、新傾向の作風なども積極的に評価、吸収してきた歴史があり、『二科展』についても作品のマイナス面よりもプラス面をより前向きに尊重しようという意識が強い。その結果、後に著名になる数多くの芸術家を輩出してきたわけで、芸術振興や新人の発掘、育成の面でも業界内で高い評価を受けています」(前出の編集者)

 そのうえで、今回の若月と佐藤の入選についてはこう語る。

 「初入選で『奨励賞』を受賞した佐藤さんはもちろん、若月さんに関しては6年連続での入選という点は高く評価されていいと思います。継続して素晴らしい作品を手掛けているわけですし、14年にはテーマの異なる2作品で同時入選も果たしていますしね」

 才色兼備を地で行く若月と佐藤の今後の芸術活動からも目が離せない。

(文・平田昇二)

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