プライベートな用事で自宅のあるフランスへ帰国中のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、10月シリーズの2試合について「次の合宿のリストには、少し新しい選手を入れようと思う」と語っている。
 新戦力のチェックをはじめとする明確な目標があれば、日本国内で腰を落ち着けて2試合に臨んでも決してデメリットは生じない。しかも、ネームバリューこそないが、ニュージーランドもハイチも一概に格が落ちるとは言い難い。

 オーストラリア代表がアジアサッカー連盟(AFC)へ転籍した2006年1月以降、ニュージーランドはオセアニアサッカー連盟(OFC)で無双状態となっている。ロシア大会出場をかけた予選でもすでにオセアニアを勝ち抜き、大陸間プレーオフへの進出も決めている。
 相手は南米大陸の5位で、現状のままならFWリオネル・メッシ(バルセロナ)を擁するアルゼンチン代表と11月6日にホームで、同14日にアウェイで戦う。2大会ぶりの本大会出場へ向けて、日本戦はまたとないスパーリングとなり、極めて高いモチベーションで臨んでくるはずだ。

 FIFAランキングが低いのは、2014年からFIFAが2月と8月の国際Aマッチデーを廃止したため、年間の国際Aマッチデーの大半がワールドカップ予選にあてられるようになったことと無関係ではない。
 ランキングの低いOFC圏内の相手ばかりでは、おのずとランキングも上昇してこない。2010年の南アフリカ大会のグループリーグで、イタリアを含めた3ヶ国とすべてドローを演じているニュージーランドは、決して侮れない相手と言っていい。

 北中米カリブ海連盟(CONCACAF)に所属するハイチは、最終予選のひとつ手前の4次予選ですでに敗退している。もっとも、パナマ、ジャマイカ、そしてブラジル大会でベスト8に進出したコスタリカ各代表とホーム&アウェイで戦った6試合で4失点しか喫していない。
 6試合で2得点という極端な決定力不足もあって涙を飲んだが、徹底した堅守から速攻を仕掛けてくるタイプだと察することができる。CONCACAFの最終予選ではこのグループを勝ち抜いたコスタリアが2位、パナマが3位につけていることからも、ハイチの力量がおぼろげながら伝わってくる。

 ハリルホジッチ監督は、11月6日から14日の間に2つの国際親善試合を組める11月シリーズへこんな展望を描いてもいる。
「11月になれば海外に行けるかもしれない。非常にレベルの高い国と試合がしたい。その時点でどこまでできるのか、日本のレベルがどこにあるのかを見るためだ」

 10月シリーズでチームの層を厚くしたうえで、11月シリーズで満を持して強豪国に挑む。ターゲットはヨーロッパの9グループを1位で突破する9ヶ国のいずれかになるだろう。
現時点ではグループHのベルギー代表以外は、ヨーロッパ予選の大勢はまだ決していない。1位通過を前提としてすでに水面下で始まっている下交渉を含めて、11月シリーズでは日本サッカー協会のマッチメーク力も問われてくる。

(文責・藤江直人/スポーツライター)

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