宇野昌磨は金メダル獲得プログラムを披露した。(写真:エンリコ/アフロスポーツ)

 平昌五輪へ向けてのフィギュアスケートのシーズンが開幕。昨年の世界選手権2位の宇野昌磨(19、トヨタ自動車)は、前哨戦として先日、イタリアのロンバルディア杯に出場し、SPで104.87、FSで214.97、計319.84の高得点をマークして連覇した。今年の世界選手権の自己最高を更新する得点。羽生結弦(22、全日空)が2015年のGPファイナルで出した330.43に次ぐ歴代2位となる高得点である。
 
 平昌五輪シーズンとなる今季、ショートはビバルディの「四季」より「冬」が新しいプログラムの曲として選ばれ、フリーでは、2季ぶりに「トゥーランドット」を復活させた。荒川静香氏がトリノ五輪で金メダルを獲得した際の伝統のある曲だ。
 
 そして今大会で世界のフィギュア関係者の注目を集めたのは、自身4種類目の4回転ジャンプとなる4回転サルコーに成功したこと。FSでは、冒頭で4回転ループ、2つ目のジャンプとして4回転サルコーに挑戦して着氷に成功した。
「サルコーはフリップぐらいに確率が良くなるジャンプかなと思った。ループよりも確率が良くなると思うので、挑戦ではなく自分を手助けするジャンプにしたい」と、4種類目の新ジャンプに宇野自身も手ごたえを感じ取っていた。
 それだけではない。得点が1.1倍となる後半に昨季世界初成功となった4回転フリップから、4回転トゥループ+2回転トゥループの連続ジャンプを入れ、最後に4回転トゥループを決め、4回転を5つ入れ込む難易度の高いプログラムをミスなく演技したのである。

「まだまだできる。完成というものは自分の中で存在しない。もっと点数を追い求めることができる」

 宇野の向上心に満足という2文字はないが、元全日本2位で、現在は後身の指導を行っている中庭健介さんは、「平昌五輪での金メダルを意識したプログラムであり、4種類5つの4回転ジャンプを織り込んだフリーは、金メダルを狙えるプログラムです。ほぼ仕上がった状況で開幕戦を終えたのには驚きました」と、今回披露した新構成が、平昌五輪での金メダルプログラムになりえると高く評価した。

「ショートは新しい曲を使い、フリーは慣れ親しんでいて宇野選手に合っているトゥーランドットにしてプログラムの難易度を上げました。新しいシーズンの新鮮味に加え、フリーで高得点を狙う勝負に出るという理想的な構成です。昨年、取り組んだフリップ、ループという2つの4回転ジャンプの質が上がりました。すでに安定感のあるジャンプになっています。そこにサルコーを加えたわけですが、昨シーズンも練習の段階ではもう成功していたジャンプなので、宇野選手にはそこまでの違和感もなかったのでしょう。4種類の4回転ジャンプすべてにミスが少ない部分は、特筆すべき点です。昨シーズンから今シーズンにかけての積み上げ、安定度、そして、新しいチャレンジの成功率を見れば、もう明日、五輪本番を迎えてもおかしくないくらいの状態に仕上げています」
 

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