FIVBワールドグランプリで選手に指示を飛ばす中田久美監督(写真:田村翔/アフロスポーツ)

男女バレーの4大世界大会のひとつワールドグランドチャンピオンズカップ(通称グラチャンバレー)が終了した。男女共に新監督の下、東京五輪へ向けて国内初スタートを切ったが、中田久美・新監督率いる全日本女子は、リオ五輪金の中国や強豪6チームが参加した大会を2勝3敗で5位。初戦で韓国を破り、ブラジルも撃破した。アメリカともフルセットで競うなど、ストレート負けの完敗は1試合もなかった。

 中田監督は6チーム中5位という結果を受けて「40パーセントくらいの土台はできた。来年は70パーセントに」と、大会を総括した。

 では、その40パーセントの土台とは?足りない60パーセントはどこにあるのか。

 リオ五輪で連続メダルを獲得できなかった真鍋ジャパンとは何が違ったのか。そして、何より中田ジャパンが標榜する「低くて速いバレー」と「4枚攻撃」は両立するのか。

 元全日本の大山加奈さんは、今大会の結果を「5位とはいえ、いい試合をしていましたし、ブラジルにも勝ちました。拾って拾ってという粘り強いバレーは見ている人も楽しかったのではないでしょうか。選手も『いける』という自信を持ったと思います」と評価しつつも、3年後の東京五輪への問題点も指摘した。
「この大会のテーマは経験を積むことだったのでしょうか、それとも勝負だったのでしょうか。今、世界の強豪に大敗して自信を失うことを避けたかったことは理解できるのですが、そこが少し見えにくかったのです。そして、チームが目指しているバレーの方向性についても考えさせられました」

 第一の収穫は安定していた守備力だろう。

「レセプションとディグが素晴らしく守りが崩れませんでした。本当によく上げました」

 3-2で競り勝ったブラジル戦ではブロックが効いた。ブロックのワンタッチ数は、日本が89本でブラジルの71本を上回った。特に荒木が36本と防波堤になった。

「ブラジル戦の勝因はブロックでした。荒木選手だけでなく新鍋選手のブロックも機能していました。東京ラウンドでは、ブロックが機能していませんでしたし、ブロックに飛ぶ際に、体がひらいてしまって手に当てて外に出されて決められるケースが目立ちました。でも、名古屋ラウンドでは改善されていました。戦術的変更は特になかったと思うのですが、急によくなりました」

 東京ラウンド(韓国、ロシア)から名古屋ラウンドの初戦となるブラジル戦でのブロックが改善したという。大山さんは、その理由として各自のブロック技術の修正に加えてサーブを挙げる。

「サーブが名古屋ラウンドでは、よくなっていました。東京ラウンドでは相手の正面にいっていましたが、意識的に前後に揺さぶりました。サーブで崩しブロックでワンタッチにかけるという好循環につながりましたね」
 
 空間認識力の高さがバレー選手には必要とされている。体育館によって観客席の設置の仕方や屋根の形が違うため、感覚がつかみやすい体育館と、そうでない体育館があるそうで、大山さんは、名古屋の日本ガイシホールは、「現役時代にやりづらかった」というが、「今の選手には名古屋の体育館がマッチしていたのかも」という。

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