会計ソフトのベストセラー「勘定奉行」で知られるオービックスビジネスコンサルタント(OBC、本社・東京都新宿区)が、自社の製品を軸にした働き方改革の提案を試みている。OBCは約40年にわたって中堅・中小企業向けに「基幹業務システム」と呼ばれる会計、給与、人事、販売管理などのシステムを販売し、累計導入社数は56万社を超えた。基幹業務システムは会社事務の効率化を図るものだが、近年の働き方改革の流れの中で、それらの特徴や効果をあらためて位置づけた。

 中堅・中小企業の場合、さまざまな事務を紙ベースで処理し、それを会計事務所に任せっぱなしにするといった旧来型のワークフローを変えられない会社もまだ多い。OBCはそうした作業の流れを効率化し、時間短縮などの効果がはっきり見える形で提案しているのが特徴だ。

 働き方改革といっても、大企業に比べてマンパワーや資金面で規模の小さい中堅・中小企業にとっては、テレワークやノー残業デーなどはなかなか導入が難しい現実がある。こうした点を踏まえて、OBCは実現可能性のあるソリューション(問題解決策)を提案している。

 さらに、例えば、同じ会社で一つの部門が時間短縮を達成しても、他の部門にしわ寄せが及ぶようなケースではどこかに無理が生じるため、会社全体で業務を改善するという意識の浸透が必要だ。OBCはこうした視点も配慮した提案を行っているという。

 企業の場合は業務が「変動業務」と「固定業務」の2つに大別され、変動業務は提案や企画、製造など成果が変動する仕事を指す。一方、固定業務は、成果が固定的なデータ入力や集計、作成などが中心だ。生産性を上げるには、固定業務にかかる時間を極力削減することが重要で、そこで増えた時間を変動業務に充てることができ、限られた時間を有効活用することができる。

OBCマーケティング推進室の西英伸室長

 これを可能にしたのが近年のIT技術の進歩であり、OBCはそれを中堅・中小企業に使いやすい形で製品化した。現在77のモデルで効率化事例をまとめて提案している。

 たとえば、これまで3日かかっていた勤怠管理がわずか2時間で行えるようになったケースのほか、4時間かかっていた支払い業務の処理がわずか20分で行えるようになったケースなどが顕著な例だ。
 
 OBCマーケティング推進室の西英伸室長は「適切なツール活用で、大幅な省力化を進めることができるほか、自社サイドで計算できる部分が増えたことから、それまで会計事務所などに任せていた業務部分のコストを削減できるなどの効果も生んでいる」と話す。

 このほか、経営サイドからのアプローチが必要なリスクや変化に対する対応や、生産性向上に求められるマネジメントの実践方法などへの対応も行っている。OBCは10月から11月にかけて全国13か所でフォーラムを開き、リアルな体験を通じて具体的な取り組みのイメージの浸透を図る予定だという。

 OBCのみならず、こうした業務関連のシステム関連企業は、大企業向けも含めて他にもあるが、働き方改革の流れの中で各社とも様々なサービスを打ち出しており、この分野での新たな競争も今後一段と注目されそうだ。

(3N-アソシエイツ)

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