「北朝鮮を完全に破壊する」「史上最高の超強硬対応措置を断行」――。核・ミサイル開発をめぐり、激しい非難の応酬を続けるアメリカと北朝鮮ですが、25日には北朝鮮外相が「トランプ米大統領の発言は北朝鮮への宣戦布告」だとする発言まで飛び出しました。北朝鮮情勢の緊迫が高まりつつある中、アメリカ、日本と中国、ロシアとの間には思惑にズレがあります。圧力か、対話か。どう解決していくべきなのでしょうか。

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止まらない非難の応酬

[写真]国連総会の演説で「米国や同盟国を守る必要に迫られた場合、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択肢はなくなる」と述べたトランプ米大統領(ロイター/アフロ)

 トランプ米大統領は9月19日、ニューヨークの国連本部で行った就任後初の一般討論演説で、非常に強い言葉で北朝鮮を非難しました。

 トランプ氏は、米人学生を非人道的に扱ったこと、「日本の浜辺で13歳の少女を拉致した(編注:横田めぐみさんの拉致)」ことなど例に挙げて北朝鮮は「邪悪な国家」だと非難し、さらに「米国は強大な力と忍耐力を持ち合わせているが、米国自身、もしくは米国の同盟国を守る必要に迫られた場合、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択肢はなくなる。『ロケットマン』は自身、および自身の体制の自爆に向かっている。北朝鮮にとっては非核化が将来への唯一の道だ」などと述べました。

 北朝鮮の金正恩委員長はこれに強く反発して声明を発表し、「史上最高の超強硬対応措置を断行することについて慎重に考慮する」と警告しました。また、国連総会出席中の李容浩(リ・ヨンホ)北朝鮮外相は「おそらく歴代最大級の水爆の地上実験を太平洋上で行うことになるのではないか」と発言しました。

 米国では、マティス国防長官が韓国に核兵器を再配備することも含めて韓国と協議していることを示唆し、ソウルを重大なリスクにさらさない軍事行動の選択肢があるとも述べています。10月には空母を朝鮮半島に派遣する予定だとも伝えられています。

 さらに、トランプ大統領は21日、北朝鮮への経済封鎖を強める新たな大統領令に署名しました。この中には北朝鮮と取引した諸国の銀行は国際金融システムから締め出されることも含まれています。

 トランプ大統領も金正恩委員長も激烈な言葉を使いつつ、一定の自制をきかせており、どちらも軍事行動を取ることを決定しているわけではありませんが、緊張は間違いなく高まっており、偶発的に不測の事態が発生する危険性も排除できません。