個人向けネット通販の分野で楽天との競争に勝利しつつあるアマゾンが、今度はアスクルやモノタロウをターゲットにした法人向けサービスに乗り出しました。法人向け分野は商慣習などの制約が大きいと言われていますが、アマゾンに勝算はあるのでしょうか。

日本独特の商慣行

写真:ロイター/アフロ

 アマゾンジャパンは20日、オフィス用品などを法人向けに提供するサービス「アマゾンビジネス」を日本でも開始したと発表しました。米国ではすでにかなり普及しているサービスですが、日本ではアスクルやモノタロウという存在があるため、アマゾンがどこまで食い込めるのか業界関係者は注目しています。

 アマゾンビジネスを利用するためには法人向けの専用アカウントを開設する必要があります。アカウントはチーム単位で管理することも可能で、決済の承認を経てから購入したり、金額に上限を設けることもできます。またグラフや表を使って購買レポートを作成する機能を提供しているほか、企業内の情報システムとの接続にも対応しています。

 日本は、個人の決済という部分では、現金比率が高いだけで、海外との違いはそれほどありませんが、法人の決済は極端なガラパゴスといわれています。見積書を作成したのち、月末締めの請求書を発行し、銀行振り込みで後払いするという商慣行は日本独特です。後払いにすると、支払いが滞るリスクがあるため、事前に取引先を審査しなければならないなど、ハイリスクで手間のかかる商慣行ですが、これが変化する様子はありません。

 この独特の商慣行が日本市場におけるひとつの参入障壁となってきましたが、アマゾンは一連の取引慣行にも対応することで、日本市場に馴染もうとしています。

アマゾンの最大のウリは商品数

 アスクルなど既存の事業者と比較した場合、アマゾンの最大のウリは商品数でしょう。アマゾンが取り扱う商品数は数え方にもよりますが億単位となっており、他社とはケタが違います。

 これだけの商品数があれば、企業内のきめ細かいニーズにもうまく対応できる可能性があります。最近では中国企業がアマゾン内で業務用品などを破格の値段で提供するなど、プロ向けの分野でも地殻変動が起きつつあるようです。

 もしこのような動きが加速することになった場合、アスクルのようなオフィス用品の通販だけでなく、モノタロウなど業務用品を取り扱ってきた企業も大きな打撃を受ける可能性があります。米国ではアマゾンビジネスが登場すると工務店の資材調達の多くがアマゾンに移行しました。

 モノタロウは米国の資材販売会社であるグレンジャーの子会社ですが、すでに日本社会に馴染んでいるという現実を考えると、アマゾンが法人向けの顧客を開拓することはそれほど難しいことではないかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

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