サンウルブズと日本代表の兼任ヘッドコーチ制となった2018年シーズン。チームの成長に期待がかかる。(写真:Haruhiko Otsuka/アフロ)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズが、日本代表も率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチの就任を決めた。

 2016年秋から日本代表の指揮官を務めるジョセフは、2017年のシーズンから「チームジャパン2019総監督」という肩書でサンウルブズにコミット。戦術や選手やスタッフを日本代表と共有したが、1季目となる2016年より勝ち星をひとつ増やしただけの2勝13敗で終戦していた。肝心の日本代表も今年6月のテストマッチ3連戦を1勝2敗としていただけに、各所でのテコ入れが求められていた。
 
発足3季目の2018年シーズン兼任ヘッドコーチとなるジョセフは10月2日、都内で会見。「兼任のアイデアは当初(2017年シーズンの開幕前)からありました」とし、思いを明かした。

「ハイランダーズから離れたばかりで、代表のヘッドコーチ。ここにサンウルブズとなると負担が多すぎると思って、了承することができなかった。私はただ勝ちたいだけです。そのためには短期間で選手を育成しないとならず、それには私が関与しないといけない」

 ナショナルチームとスーパーラグビーのクラブのボスを兼任するのはレアケースだ。それでもサンウルブズでの活動を毎年6、11月に組まれるテストマッチ(国際真剣勝負)や2019年のワールドカップ日本大会での成果に繋げていくには、代表の長がサンウルブズの日常に携わるのがベターではある。この状況でなら、ジョセフの手腕次第でサンウルブズの試合を代表のテストマッチのリハーサルに活用するなど多彩なチャレンジが可能となる。

 サンウルブズとの契約に前向きと見られる日本代表のリーダー格、リーチ マイケルは「僕のなかでは一番、いいやり方だと思います。一貫性が出やすくなる。サンウルブズを使って代表の強化ができて、マネジメントがしやすい」と頷く。

  確かに従来も日本代表とのリンケージは取られていたが、ジョセフは「外から見るだけではしっかりとチームのカルチャーや戦い方を確立できない」と言う。実際のコーチングに携わることで代表格の選手と過ごす時間を伸ばし、歩調を揃えられそうなのも兼任の利点だ。

 特に変化が期待されるのは、選手のコンディション管理だろう。

 昨季は選手が夏から冬にかけ国内のトップリーグと掛け持ちをするなか、当時「総監督」の肩書きだったジョセフらの方針で主力候補へ代わるがわる休養を付与。頻繁なメンバーの入れ替えが、内部昇格だった当時のフィロ・ティアティアヘッドコーチの仕事を難しくさせた。

 選手を休ませる人物と選手を起用する人物が一本化されれば、ジョセフの挙げた「個々の選手にとっては正しいことだったが、チームにとっては新たなコンビネーションの落とし込みなどに影響を及ぼした」という課題は最小化されそうだ。

 さらに今度の体制では、テストマッチで結果を出すことから逆算したコンディショニングがよりしやすくなり得る。今年6月の日本代表のテストマッチ後には、ある参加選手が「選手によってコンディションにばらつきが出たという反省がジェイミーから出た」と話していた。今回の決定を受け、リーチは「その辺がもっと来年は良くなると思う。休む選手、試合をする選手、合宿する選手の3つに分かれることができる」と展望する。

 チームは数名の強豪国代表経験者との契約も模索中だ。日本代表候補者の成長をさらに加速させるためだ。

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