香川は親善試合で危機感を持ってアピールする。(写真:ロイター/アフロ)

欧州の舞台で取り戻しつつある自信が伝わってくる。同時にハリルジャパンのなかに居場所を築き続け、来年のワールドカップ・ロシア大会のピッチに立つことへの危機感も見え隠れする。

 ニュージーランド(6日、豊田スタジアム)、ハイチ(10日、日産スタジアム)両代表と対峙する国際親善試合に臨む日本代表のMF香川真司(ボルシア・ドルトムント)が3日、愛知県内で1日から行われている代表合宿に合流した。

 冒頭15分以外は非公開となった練習を、時差ぼけなどを解消させるための別メニューで終えた香川は、取材エリアで異なる2つの思いを口にした。

 まずは自信。帰国する直前の9月30日のFCアウグスブルク戦で先発した香川は、前半23分に決勝点となる今シーズン2点目をゲット。ペナルティーエリアに入ったあたりで味方の折り返しのパスに軽く足をあて、芸術的なループシュートを流し込んだ。

 これでブンデスリーガにおける通算得点を「38」に伸ばし、シュツットガルトとマインツでプレーしていたFW岡崎慎司(レスター・シティー)を抜いて日本人歴代トップに立った。いい感触とイメージを手土産として、ハリルジャパンに合流できた。

「コンディションはもっと上がっていくはずだし、出た試合でしっかり結果を残せていることでいいスタートを切れた。これをベースとしてやれれば、いいシーズンになると思っている」

 6月のシリア代表との国際親善試合で左肩を脱臼。指揮官がかつて日本でもプレーしたピーター・ボス監督に代わったドルトムントで、新シーズンへ向けたキャンプで出遅れを強いられた。アウグスブルク戦が2度目の先発だったが焦りはない。

「手応えは感じていますけど、ドルトムントも選手層が厚いので、与えられた時間のなかでいい結果を残さないと。他にレベルの高い選手が大勢いる世界なので、そこは十分に自覚しています」

 欧州でプレーする日本人選手でただ一人、UEFAチャンピオンズリーグに臨んでいる。9月26日のレアル・マドリードとのグループリーグ第2戦はベンチのまま敗戦を見届けたが、世界最高峰の舞台で戦っている自負は失われていない。

「わかっていましたけど、彼らがもっている雰囲気や存在感というものはやっぱりあった。僕たちが主導権を握っていても、引いちゃう場面がどうしてもある世界。実際に戦わなければわからないことだし、そういう経験を含めて日本に還元していきたい」

 チャンピオンズリーグの出場試合数は「28」に伸び、日本最多となるDF内田篤人(ウニオン・ベルリン)の「31」の更新も視野に入ってきた。一方でもうひとつの思い、日本代表のなかで抱く危機感の源泉をたどると、8月31日のオーストラリア代表戦に行き着く。

 最終的には2-0で快勝し、6大会連続6度目のW杯出場を決めた90分間を、香川はベンチに座ったまま見届けている。インサイドハーフに指名されたのは山口蛍(セレッソ大阪)と、21歳になったばかりの井手口陽介(ガンバ大阪)だった。

 しかも、国際Aマッチ出場がまだ3試合目だった後者は、ダメ押しとなる代表初ゴールをペナルティーエリアの外から豪快に突き刺している。

「この前は出られなかっただけだと思っている。そこでチームは結果を残しているわけなので、自分自身にも危機感はあります」

 左肩の影響は関係ないと香川は言い切った。