イチローの来季はどうなるのか(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 シーズン終了を前に、デビッド・サムソン社長、球団の特別補佐を務めていたジェフ・コーナイン、アンドレ・ドーソンら球団OBの退団が決まった。
 最終戦を終え、クラブハウスで取材に応じたイチローは、「去る人がいる・・・」と話を向けられると、自ら不透明な去就を口にした。

「僕も去るかもしれないですけどね(苦笑)。それは分かんないもんね」

 それから2日後の3日、マーリンズは会見を開いた。通常は、その年の総括の意味合いを持ち、過去2年はこの場でイチローの契約オプションを行使することが発表されたが、今回は例年と異なり、前日に正式に球団譲渡が決まったことから、新体制で編成部門のトップを務めるジーター氏と筆頭オーナーのブルース・シャーマン氏が揃って会見に臨んだ。

 そこでは、「まず、ファンを呼び戻すことが第一」と抱負を語ったジーター氏。しかし、具体的なチーム編成の話になると明言を避け、イチローの来季の契約オプションを行使するか? という質問も飛んだが、こうはぐらかした。

「イチは、僕のずっとお気に入りの選手だった。それはこれまでも言ってきた。僕が現役の時も声に出して言ってきた。でも、どうするかは、マイク(・ヒル=編成本部長)と話し合ってからだ」

 トレードが噂されるジャンカルロ・スタントンについても同様で、「彼とは話をしていない。これからマイクと話すことになる」と言っただけである。

 選手時代同様、相変わらずガードが硬いが、それでもジーター氏はチームの方向性を問われると、「この組織を再建しなければならない」と一定のビジョンを示した。

「まずは、育成、スカウトかな。長く安定したチームでいるためには、若い選手をメジャーでプレーさせるための道作りが必要だから」

 ただ、スタントンはシーズン最終日に、「再建に関わるのはごめんだ」と話しており、ここをつなぎ合わせれば、まるで放出は規定路線である。ジーター氏は、「ファンには嫌われるかもしれない決断をしなければならないだろう」とも語っており、その言葉自体、なにかを暗示するよう。

 もっとも、トレードされるのはスタントンだけではなく、マーセル・オズナにもその可能性はある。

 スタントンに関しては、彼の長期高額契約(残額は、2028年の契約破棄代を含めれば、10年総額2億9500万ドル)が再建の足かせだ。ジーター氏らは明言こそしなかったものの、今年だけで5000万ドルの赤字が出るとみられ、来季のチーム総年俸圧縮は避けられない。また、スタントンは今季、59本塁打、132打点で2冠にも輝いており、トレードするとしたら最高のタイミングでもある。

 しかし、契約が大きすぎて、相手もリスクを負いたくない。仮にトレードが成立しても、それ相応の負担は求められ、交換要員も期待できないかもしれない。

 むしろトレード要員として期待出来るのはオズナの方。彼は今季、37本塁打、124打点、打率.312と、オフェンスでは軒並みキャリアベストをたたき出した。今年11月に27歳になるオズナが、フリーエージェントになるのは2019年のシーズン終了後 。つまりあと2年は、格安で契約できる。長打があり、チームの柱となるような外野手を探しているチームにしてみれば、喉から手が出るほど欲しい選手ではないか。おそらく彼一人で、2〜3人のプロスペクトを獲得できる。いずれにしてもそうなれば、先発投手のプロスペクト獲得が最優先だが、同時に外野手を補充しておく必要がある。

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