運送業の人材不足や人口減少の過疎地への有効手段として国挙げて、小型無人機ドローンの活用検討に乗り出している。そうした中、調剤薬局から自宅までドローンを使って薬を配達することを目指す、「ドローン薬局プロジェクト」が愛知県でスタートした。

 実際の運用や営業はまだ先だが、実現すればユーザーにとってメリットの多いこのプロジェクトについて、代表二人に話を聞いた。

アプリを使って簡単にオーダー、受け取り

実際に実証実験で使ったドローンを持つ、梅田さん(左)と田村さん(右)

「ドローンの機体をこういうふうにしたほうが、上空からこういうふうに薬を落としたほうが……など二人でいろいろなアイデアを出しながらスタートしました」と話すのは、ドローン薬局プロジェクト代表を務める愛知県内で薬局や介護サービス事業を展開している株式会社ファーマスター(名古屋市緑区)の梅田鉄兵さんと、マルチコプターの研究開発と製造販売、静止画や動画による空撮を行う株式会社マルチコプターオペレーティング(名古屋市中区)の田村浩明さん。

 プロジェクトの大きな目的は、“災害時の救援物資として薬を運んだり、離島・山間部などで薬局に来られない方に運んだりする”こと。2018年には山間部などで運用実施、2020年代には人口密度の高い都市部でも運用を本格化させることを目指している。

 実際に薬はどのように運ばれるのか。また、患者や薬局はどのような手順になるのか。梅田さんに聞いた。

「開発はこれからですが、ドローン薬局専用のアプリを使用します。患者はアプリから、処方箋の画像を送信。すると薬局で薬剤師が薬を処方し、緩衝剤に包んだ医薬品をドローンの下部にあるメディカルボックスという箱の中に入れます。薬剤師がアプリを操作すると、ドローンは自動飛行で患者の自宅までひとっ飛び。約5分で到着し、患者がアプリで受け取り操作をすると、箱が開いて薬が落ちます。これが簡単な流れです」

 ドローンは到着しても着陸はせず、約5mの高さでホバリング。そこから緩衝材に包まれた薬が落とされる。

 7月には実証実験を行った。愛知県南知多町の片名漁港から、約3km離れた日間賀島まで配送を試み、往復約6kmすべて自動で飛行した。実際に投下された医薬品は破損など、何も問題はなかったそうだ。

 梅田さんは「すべてが順調に遂行でき、課題が見つからなくて困ったくらいです」と笑顔を見せる。

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