日本の子育ては経済的負担に加えて、精神的な負担も大きいという調査結果が発表されました。少子化を防ぐためには、経済的支援だけでなく、子育て全般に関する環境作りが重要となりそうです。

写真:アフロ

 米国の医療機器メーカー、クックメディカルの日本法人であるクックジャパンは今年8月、日、米、仏、スウェーデンに住む子供がいない女性に対して、出産や妊娠に関するアンケート調査を行いました。それによると、将来子供が欲しいと考える人は、日本では63%だったのに対して、米国は79.5%、フランスは80%、スウェーデンは73.5%と日本がもっとも低いという結果になりました。

 米国とスウェーデンは女性の社会参加がもっとも進んでいる国のひとつですし、フランスも両国ほどではありませんが、女性登用が進んでいます。女性の社会参加率が高い国で子供を望む女性の割合が高く、女性の社会参加が遅れている日本において割合が低いというのは少々、皮肉な結果といえるでしょう。この調査結果は、女性が専業主婦として、子育てや家事を担うというライフスタイルがもはや成立しなくなっていることを示しているのかもしれません。

 また、将来子供が欲しいと思わない理由として、日本人の51.4%の人が「子育てをする自信がない」という項目を選んでいます。「子育てが大変そうに思えるから」という理由も44.6%となっており、やはり高い数値です。

 これは「現状のライフスタイルに満足しているから(23%)」という項目を大きく上回っているほか、「子育てにはお金がかかるから(35.1%)」という経済的理由よりも高くなっています。一方、米、仏、スウェーデンではまったく逆で、現状に満足しているからという理由で子供を作らない人が圧倒的に多いという結果でした。

 つまり日本では、子供がいないライフスタイルを積極的に選択しているのではなく、子供が欲しいと思っているにもかかわらず、精神的な負担が大きく、出産を選択できない可能性が高いということになります。

 政府は出生率を上げるため、様々な施策を検討していますが、この結果を見ると、経済的な支援だけで問題を解決するのは難しそうです。日本では、家庭内における子育てを女性が担っているケースが多く、これが精神的負担を大きくさせている可能性があります。最近はイクメンが増えているともいわれますが、一方で、形だけのイクメンとなっている人も多く、かえって女性の負担が増えているとの指摘もあります。もし本当に出生率を上げたいのであれば、やはり社会全体での取り組みが必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)