衆院選の投開票が22日に迫ってきました。公示前に続いた政界再編劇による政治不信や、争点が見えにくくなったことから、興ざめした有権者による投票率低下が懸念されています。

低調な投票率は、大統領選などで白熱した選挙戦を繰り広げる米国も、実は同じだといいます。しかし、投票率が低い事情や、政治に対する市民の熱量、郵便投票などの制度改革で投票率上昇に努める様子などは、票を投じる先が見当たらない、関心が持てないと、選挙に冷めてしまって、投票所から足が遠のく日本の有権者とは大きな違いがあるようです。

ニューヨークブルックリン在住のライター金子毎子さんの報告です。

2017年衆院選、街頭演説は日本では選挙戦おなじみの風景です(写真:アフロ)

日本では今月10日に衆院選が公示され、22日投開票されることになりました。投票日まで全国各地で、選挙カーから流される大音量や、タスキをかけ白い手袋姿の候補者による街頭演説といった選挙戦が繰り広げられることになります。

実は筆者も大学生の時にアルバイトで、ある候補の選挙運動(1990年の第39回衆院選)に参加しました。といっても、リストに沿って片っ端から電話をかけ、投票をお願いするという流れ作業のような内容です。時給は悪くなく、参加の理由もそれだけでした。当時、同じ区からオウム真理教の麻原彰晃(松本智津夫死刑囚)が出馬していて、独特の音楽に合わせた歌や踊りが選挙カー上で繰り広げられる様子を駅前でよくみていたことが思い出されます。

短距離ではなく長距離な米国の選挙戦

いずれにせよ2週間弱の短期決戦であることには間違いありません。一方米国では「公示」という制度がないために、特に任期が2年の下院議員などは、選ばれた翌日から次の選挙戦モードに入るような勢いです。

任期が6年の上院議員ともなると少し余裕がありますが、大統領はその間をとって4年。大統領選から2年後の中間(議会)選挙が終わると、各候補が出馬表明し出すのが一般的ですから、大統領選の選挙期間は2年にもなります。トランプ大統領に至っては集会を頻繁に開くなど、対立候補がいなくなった今でも選挙戦を止める気配が一向にみられません。

政治家たちのこういった「万年選挙戦」状態に異をとなえ、英国のように選挙期間を限定すべきだ、という意見もあることにはあります。PAC(政治行動委員会)やスーパーPAC(特別政治行動委員会)と呼ばれる政治資金団体を通じて、早々に企業や個人から献金を受け出す候補者がますます増えているのでなおさら。ペンス副大統領もすでに自分のPACを「異例のはやさ」で設立し、もう2020年の大統領選出馬の準備開始かと報道されて、火消しに追われました。