アフリカツメガエルが和歌山県田辺市で大繁殖している、という報道がありました。和歌山県立田辺中学・高等学校の生物部が中心となって調査をしながら、環境省、県、市などと連携して対策をしていますが、これまで数千匹を駆除しながらも生息地の拡大が続いているとのこと。吉野熊野国立公園に位置していることもあり、生態系への影響が心配されています。このアフリカツメガエルは、「生態系被害防止外来種リスト」の「総合対策外来種」に指定され、対策が必要な生物として扱われています。生態系被害防止外来種リスト、総合対策外来種とは、どのようなものなのでしょうか? その前に、まずはアフリカツメガエルについて紹介しましょう。

【写真】身近な自然がいつの間にか外来種に置き変わる 日本の外来生物対策最前線

ユーモラスな見た目、実験動物としても

[資料写真]アフリカツメガエル(photo by Brian Gratwicke、Wikimedia Commonsより)

 アフリカツメガエルは、アフリカ中南部原産の5~13センチ程度のカエルで、名前の通り、後ろ足の指先に黒い爪があります。オタマジャクシを卒業しても水から上がらず、一生を水中ですごします。飼育・繁殖が簡単なので、実験動物としてよく使われるほか、ユーモラスな見た目でペットとしても人気です。1匹100円程度で購入でき、気軽に飼育を楽しむことができます。

 しかし、その性質が、野外に放たれたときに問題になります。低温に強く、凍らない池なら越冬できます。半年で成熟し、1度に約2000個の卵を年に数回産む上、10年を超える寿命もあり、どんどん増えていく危険性があります。泥の中で休眠できるので、魚とは違い、池から水を抜いただけでは泥の中で生き延びてしまいます。

 アフリカツメガエルが日本の野外で見つかったのはこれが唯一の例ではなく、千葉県、神奈川県、静岡県などでも報告があります。ただこれらは、大掛かりな繁殖が確認されていなかったり、一時定着した後に全滅したといわれていたりします。直近では岡山県で6月13日に野外で見つかったばかりで、今後の動向が懸念されます。

 和歌山県の例では、徐々に生息域が広がっています。他の例との違いが明確ではないだけに、注視する必要がありそうです。

 海外でも、米国、イギリス、チリなどで定着したといわれていますが、世界的に見て長期的な定着(新しい生息地で継続的に世代交代すること)の例はあまり多くありません。

 現時点では、それほど定着例が多くないアフリカツメガエルですが、国によって「総合対策外来種」に指定されています。総合対策外来種とはどんな生物なのでしょうか。どのような理由で、対策が必要な外来種のリストに入っているのでしょうか。

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