写真はイメージ(提供:ペイレスイメージズ/アフロ)

 KAT-TUN上田竜也が、何よりも偽物を嫌う天才鑑定士にして質店の店主になる。魑魅魍魎が跋扈する新宿・歌舞伎町の住人だ。12日、テレビ東京系ドラマ24枠でスタートした「新宿セブン」は、上田演じる七瀬がさまざまな人々と関わりながら人や物の真贋を見極めていくという異色作。上田は同作が連ドラ初主演となる。

【連載】新番組レビュー

癖ある演技派の中で 1話で見せた鑑定豆知識に「なるほど!」

 フィルム・ノワールを思わせる重厚なカメラワークに、一癖も二癖もある演技派俳優たちの芝居が見事に似合っている。第1話から捜査のために情報源の男とベッドを共にする衝撃的な場面が話題になった刑事の近藤昭人役、田中哲司。チャイニーズマフィアのボス、王(ワン)役の嶋田久作はもはやその筋の人にしか見えないし、長年”この街”で商売をしている餃子屋のシノブ役、夏木マリも本物にしか見えない。そんな中で、主人公・七瀬を演じる上田とバディである大野健太役の中村倫也の2人は、30代にして若さが際立つ。

 鑑定場面も、見どころの一つだ。質屋といっても普通の質屋ではない。拳銃のような違法なものまで引き取る。第1話では、その筋の人になぜロレックスが人気があるかについて、上田が解説する場面がある。換金性が高く、いざというときの逃亡資金にできるからということらしい。2話以降にも同様の場面が盛り込まれているのなら、ドラマを見ながら商品知識も身につきそうだ。

上田が持つ振り幅の広いキャラクター性が醸し出す、少し浮いている存在感

 それにしても上田の振り幅の広さは、これまでもファンを楽しませてきた。ティーンエイジャーのころは、妖精が見えると言いだし、少女のようなかわいさが人気になったと思えば、ロックに傾倒するなど、その度重なるキャラクター変化には驚かされてきた。また、ストイックなまでにボクシングに打ち込む面もあれば、テレビ番組の企画で原宿系男子に変身もいとわない。何をするにも妥協せず全力投球、自分に求められていることに必死で応える努力型の人なのだ。

 そんな経験が、今回の七瀬役にも役立っているように見える。闇の社会と接点のある、いわゆるガラの悪い役どころだが、周囲の本当にガラのよろしくない人物たちの中では、いい意味で、さすがにちょっと浮いている感がある。上田の声は、巻き舌でもドスの利いた重い声ではないし、ふと見せる表情には青年のかわいささえただよう。七瀬という人物自体が、歌舞伎町に流れ着いて10年以上も生きていながら完全には馴染みきれないし、馴染みきろうとも思っていないように見える。ちょっぴり背伸びをして歌舞伎町の住人をやっている感がただよう上田の芝居は、このドラマが描く七瀬にフィットしている。上田の表情や仕草から感じ取れる七瀬という人物のドラマ性が、実にチャーミングだ。

 第1話のラストで、「私を査定してください」と血のついたパーカ姿で現れた女(大野いと)。闇社会をハードに描きながら、随所に人情味も匂う本作。続きが気になる。

次も観たい度
★★★☆☆

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