阪神は1勝2敗で屈辱の下克上を許してCS敗退した(写真はCS第一戦)

セのクライマックスシリーズ、ファーストステージの第3戦が17日、甲子園で行われ、阪神が1-6で横浜DeNAに完敗、下克上を許してファイナルステージ進出はならなかった。先勝したチームの敗退はCS11年目にして初めての屈辱だが、阪神敗戦の裏には5つの誤算があった。

 先発の能見が一つ目の誤算だった。
 その立ち上がり、先頭の桑原にコントロールが定まらない。内角を攻めようと気持ちばかりが焦って歩かせた。続く梶谷にライト前ヒットでつながれ、無死一、三塁。ここでロペスにも、内角攻めを徹底したが、強引に引っ張られた。打球は詰まっていたが、三遊間を抜けていく打球が先制タイムリーに変わる。
 雨で濡れた外野でボールが転がらず、福留が打球処理に戸惑う中、梶谷は三塁へ進み、再び一、三塁とされた。筒香にはファウルで粘られ四球を与え満塁。続く宮崎の三塁を襲うゴロは、イレギュラーに対応した鳥谷のファインプレーでホームを死守したが、嶺井には、落ちないフォークに食らいつかれて打球は三遊間を抜けた。これで0-3。結局、能見は一死満塁にしたまま、一死しかとれずにKO降板となる。

 「出だしで悪いリズムをつくってしまった」

 責任感の強い能見はベンチで涙ぐんでいるように見えた。

 阪神OBで評論家の池田親興さんは、能見の誤算をこう分析した。

「先頭の四球が失点につながるのは“野球あるある”のひとつだが、重圧もあったのだろう。リズムをつかめないまま、攻略されてしまっていた。まったくボールが切れていなかった。能見は、立ち上がりにつかまる危険性のあるピッチャーなので、こういうパターンも想定できた。そもそも先発は能見で良かったのか、という議論もあるだろう。坂本のリードにも疑問があったし、なぜ彼を先発で使ったのかもわからなかった」

 この試合、キャッチャーには、2年目の坂本が起用された。だが、配球がまずかった。ストレートに球威がなくコントロールに苦しんでいたにもかかわらず、ミーティングの指示を守るかのように内角攻めにこだわった。嶺井に対しては、フォークの3連投。最後は目に慣れた嶺井に落ちの甘いフォークについていかれた。配球ミスだ。能見の状態に合わせて投手中心型の配球へと柔軟に対応することができていなかった。

 1、2戦目の先発マスクは梅野だった。第1戦目は完封リレーをサポートしている。能見は、9月28日の横浜DeNA戦では、4安打2失点で完投勝利。このゲームの捕手は岡崎だったから、まだ岡崎の起用ならば理解もできたが、なぜCSでの先発は初めてとなる若い坂本に、この重要な試合のマスクを任せたのだろうか。

 2番手の石崎が踏ん張ったが、4回からマウンドに上がった3番手の左腕、岩崎が二つ目の誤算だった。先頭の倉本にセンター右を襲う打球を許して二塁まで落とされた。桑原にバントで送られ、梶谷に4点目のタイムリー。さらにロペスに138キロの球威のないストレートをバックスクリーンの左にまで運ばれて勝負ありーーとなった。