櫻井翔が35歳の校長先生を演じる『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)がスタート、第2話の放送が土曜日に迫っている。

 やり手の営業部員だったが企業内での派閥争いの煽りを受け、関連する高校へ教育の現場を知らないまま校長として赴任した櫻井演じる鳴海涼介。第1話ではその経緯と、ビジネスマンとしての流儀を教育現場に適用しようとするやり方に職員たちから猛反発を受け悪戦苦闘する様が描かれた。

【連載】新番組レビュー

櫻井率95%、さまざまなアングルからカメラがとらえる

 主演だから当然といえば当然だが、櫻井が最初から最後まで映りまくり。時には全身、時には寄って斜め下から見上げたり、営業のシーンでは、名刺を差し出す櫻井の顔がワイド(広角)レンズでややデフォルメされてググッと寄ってきたり。いろいろなアングルから櫻井が楽しめる。キリッとした眉毛は櫻井の大きな魅力だと思うのだが、あの眉毛が感情に合わせてハの字っぽくなったり、逆ハの字になったり……が楽しい。一流のプロレスラーの条件は60分フルタイムの試合を見せられるかどうかだといわれるが、ある意味ではドラマの主演者にも通じるのではと思う。約1時間画面に映り続けて鑑賞に耐える魅力があるかどうかは大切なことだ。

 櫻井は自宅のシーン以外、ほぼスーツだ。それも、紺かグレー。派手さはないものの、ニュース番組キャスターで培った洗練された着こなしが見ものだ。シャツは色や柄を変えても必ずBD(ボタンダウン)シャツなのだが、そのちょっと崩したカジュアルな感じがこなれている。小紋柄のネクタイをさりげなく結んでいるが、控えめにつくったディンプルが自然でおしゃれだ。校長室のシーンなどで2ショットの多い風間杜夫は、櫻井がダークスーツを着ればグレー系の明るいスーツを、櫻井がグレーのときはダークスーツを、と例外もあるがたいていはそう、コントラストをつけているようだ。

従来なかった視点の「大人の学園ドラマ」 櫻井の指先の演技にも注目

 そして櫻井の、手元がセクシーだ。たとえば、缶コーヒーを持つ指先の表情がやわらかい。筆者のような色気もなんにもない男ならグッと握ってしまうところ、やはり色男は違う。恋人(多部未華子)との飲食場面では、シャツの袖をロールアップし、ビールのジョッキを傾けるのだが、そのジョッキを持つ指先も同様、ソフトに見える。

 このドラマは、大人の学園ドラマということで、従来あまりなかった視点で学園をめぐるさまざまな問題をあぶり出しているようだ。第2話ではスクールカーストが取り上げられるという。クールな蒼井優もいいし、新人教師の森川葵のかわいさも楽しませてくれる。役者は全員、いい役者を揃えているし、生徒たちも生き生きしていて、物語もまずまず面白い。

 ただ、櫻井翔が好きかどうか、魅力を感じられるかどうかで大きく評価は分かれるだろう。それだけ櫻井ありき、櫻井の存在感に多くが集約される作品だと感じる。

次も見たい度
★★★☆☆

(文・志和浩司)