再戦を戦う村田(左)と王者のエンダム(右)。ジャッジ構成はフェアな3人になった

WBA世界ミドル級タイトルマッチ(22日・両国国技館)の調印式並びに記者会見が20日、都内のホテルで、王者のアッサン・エンダム(33、フランス)、挑戦者の同級1位、村田諒太(31、帝拳)が出席して行われた。会見には、世界的なプロモーターであるトップランク社のボブ・アラム氏が中央に座り、名アナウンサーのジミー・レノン・ジュニア氏が関係者席に陣取って世界が注目を集めるミドル級らしい舞台が整えられた。

 両者はトラッシュトークをするわけでなく、王者が「ここは日本はホームみたいなもの。婚約者も連れてきた。前回は、厳しい判定で“自分が負けていた”“村田が勝っていた”という声もあったが、今回は、それを克服して、さらなる強さを見せる。1000パーセント勝つ準備はできている」と語れば村田も静かに応戦した。

「プレッシャーをかけて前に出てパンチを打ち込む。5か月前は、世界のレベルにどこまで通用するか、半信半疑だったが、今回は自信を持ってリングに上がり自信を持って殴ることができる。必ず勝ちます」

 今回の試合用に作ったスタッフTシャツには、「MAKE THIS OURS」とプリントとした。

 「みんなの力を見せたいと思う」と村田は言う。

 WBAのベルトが目の前に置かれていたが、「知名度は得た。欲しいものは、このベルト」と目を光らせ、「プレッシャーはある。注目も期待もされているのはわかっている。でも簡単にプレッシャーを取るような魔法はない。プレッシャーを引き連れて戦う」と素直な心境を言葉に変えた。

 再戦では、ノーモア疑惑判定のフェアなジャッジ構成が整えられた。

 5月20日の王座決定戦では、ダウンを奪い、グロッキー寸前までに追い詰めながら、タッチボクシングのような手数をとられて1-2の不可解な判定で敗れた。WBAのメンドーサ会長は、すぐさま反応。エンダムを支持した2人のジャッジに6か月のサスペンテッドのペナルティを課してダイレクトリマッチを認めた。その経緯があるだけに、今回の再戦には、立会人に、WBAの選手権委員会の委員長であるジョージ・マルチネス氏(カナダ)が選ばれて、ジャッジ構成も慎重に吟味され、全員が入れ替わり公正を喫した3人が指名された。
 
 今回の3人のジャッジは、タイからピニット・プラヤドサブ氏、アメリカからロバート・ホイル氏、ララウル・カイズJr氏の2人。タイのプラヤドサブ氏は、WBAのアジアの世界戦でのスーパーバイザーや東洋王座の役員を歴任するなど、ジャッジ、レフェリー暦25年以上のベテランで、この9月に京都で行われたOPBF東洋太平洋ライト級王者、中谷正義の8度目の防衛戦でジャッジを務め、今年だけで東洋王座を含めて4度、来日、内山高志の世界戦ジャッジは複数回行うなど日本では、お馴染みの顔。

 ラウル・カイズjrは、前回の試合で、唯一村田を支持したラウル・カイズSrの息子さんで、4月のWBA世界フライ級王者、井岡一翔のV5戦、大晦日に田中恒成が王者となったWBO世界ライトフライ級王座決定戦ではレフェリーを務めるなど来日経験もあり、エンダム寄りの不公平なジャッジをつけるような不安はない。

 ロバート・ホイル氏も、609試合を裁いている17年目のベテランで、過去に久保隼、木村翔、田口良一、長谷川穂積ら、日本人の世界戦や、2012年のフロイド・メイウェザー対ミゲール・コット、パッキャオ対マルケスなどのビッグマッチのジャッジも経験している。

 JBCの安河内剛・本部事務局長は、「立会人のマルチネスさんは、WBAのナンバー2の人物。ああいう試合の再戦だけに相当の覚悟をもって人選をされている。全員が一流のメンバー。WBOでもジャッジを務めている人もいて、フェアな構成になっていると思う」と、今回のWBAのジャッジ構成を評価した。