村田は王者エンダムと計量後にフェイスオフ

明日22日に両国国技館で行われるWBA世界ミドル級タイトルマッチの計量が21日、都内のホテルで行われ、王者のアッサン・エンダム(33、フランス)、挑戦者で同級1位の村田諒太(31、帝拳)の両者共に一発でクリア。計量後にメディアのリクエストに答え、村田はフェイスオフでエンダムと顔をつきあわせた。

「体格では有利じゃないか。ひと回り(自分が)でかいかなと思った。体のぶ厚さや身長も違う」
 
 感想は、まるで暗示でもかけるかのようなもの。

 5月に不可解判定で、初の世界挑戦に失敗したが、その後、ジャッジの処分やWBA会長のリマッチ指令などがあり、紆余曲折の末、実現した再戦である。

 海外のブックメーカーのひとつのオッズは、村田勝利が「1.16倍」で、エンダム勝利が「3.5倍」。前回の試合を吟味した上で、村田の圧勝予想オッズをつけている。初戦のオッズが村田の「1.36倍」、エンダムの「3倍」だったから、村田の勝利確率はアップしていることになる。

 しかし、過去、日本のリングで、世界タイトルの再戦は数多く行われているが、敗れた側が雪辱を果たすのは簡単ではない。最近では、引退したWBA世界Sフェザー級王者の内山高志が、ジェスレル・コラレス(パナマ)との再戦に敗れている。海外の予想のプロは、村田の圧勝をオッズで支持しているのだが……。
 
 そもそも再戦の難しさは、どこにあるのか。
 
 元WBA世界Sフライ級王者の飯田覚士さんは、1997年4月に王者のヨックタイ・シスオー(タイ)に挑戦したが、惜しくもドロー。同年12月に再戦してダウンを奪うなど3ー0の判定で勝利している。村田のケースと似たパターンだ。

 その飯田さんは、「再戦は対策を練ることができるが、僕の場合も最初が引き分けで、次こそ勝てるでしょう、という周囲のプレッシャーがあった。また互いに手の内を知っているだけに、前の試合と違う何かをどうプラスできるかという課題もある。僕はスタイルを変えて挑んだが、そこが再戦ゆえの難しさになる」と言う。だから村田ーエンダム戦のポイントを「何をどう変えれるか」にあると見ている。

「正直、勝負は5分5分だと思う。村田が歴史に残るような衝撃的なKOで勝つ可能性もあるし、エンダムのテクニックに翻弄される可能性もある。両者の引き出しの数で言えば、エンダムの方が多い。王者側は、相当の工夫をしてくるだろう。村田の一発をもらわずに、前よりもしっかりとパンチを当てることを考えてくると思う。では、村田は、どうするのか。前回は無理をしなかったが、今回は、リスクを犯してでもパンチ力を生かす戦いをするだろう。しかし、それは逆に村田もリスクを負うことになる。勝敗を分けるのは、前回の戦いを教訓に、プラスアルファとして何をやるかだと思う」

 飯田さんの見解は、クレバーな村田も、当然、理解している。

 この日、計量後に軽く食事を済ませ、落ち着いてから記者会見に臨んだ村田は、5月の初戦とは違う、そのプラスアルファを自ら明らかにした。

「あれこれ考えても、いまさらサウスポーやアウトボクサーに変わることもできないので、プレッシャーをかけて前に出るしかない。それが通用しなければジャブから突いていく。1ラウンドからガンガンいくことはない。前回から修正するのは、終盤の戦い方。前回は、そこで行かなかったし手数も減った」

 オーバーハンド気味に打ち込んでくる右のパンチの角度や、その独特のリズムもすでに感じ取った。そして前回の試合での修正点もわかっている。終盤の猛追でエンダムの息の根を止めたい。

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