9月25日、安倍首相の解散表明会見に先立って開かれた小池百合子東京都知事の臨時会見から始まった与野党の政治攻防。日々情勢がめまぐるしく変わりゆく中で、「安倍1強」を倒すという掛け声はいつしか野党内の争いに収れんされていきました。そこから生まれた希望の党は失速、立憲民主党は躍進。終わってみれば自公の圧勝でした。今回の衆院選が投げかけるものは何なのか。政治学者の内山融・東京大学大学院教授に寄稿してもらいました。

【写真】混迷の衆院選「保守」と「リベラル」をキーワードに各党の政策を読み解く

ヒートアップした「小池首相」誕生論から1か月

[写真]一時は「小池首相」まで取り沙汰されたが希望の党は野党第1党にすらなれなかった(ロイター/アフロ)

 10月22日、第48回衆議院議員総選挙が行われた。自民党・公明党の与党が313議席を確保し、第2党は55議席を得た立憲民主党となった。選挙戦序盤では台風の目として野党第1党の座をうかがうとも考えられていた希望の党は、50議席となり立憲民主に次ぐ第3党に終わった。

 この1か月間、突然の衆院解散、希望の党結成、同党への民進党の合流、立憲民主党結成と相次ぎ、ジェットコースターのような展開の政局であった。結局のところ自民1強が相変わらず続くこととなり、「大山鳴動して鼠一匹」の感がある。

 実は、希望の党の勢いが強烈だった当初、今回の総選挙は1993年総選挙の再来になるのではないかとの観測があった。すなわち、1993年総選挙では自民党が過半数割れを起こし、日本新党と新党さきがけがキャスティングボートを握ることとなった。両党が非自民勢力の側に付いた結果、両党と社会党・新生党・公明党・民社党などによる非自民8党派連立政権が成立し、日本新党の細川護煕(もりひろ)党首が首相に就任した。

 希望の党代表の小池百合子都知事も当時は日本新党から出馬、当選したこともあり、今回もし自民党が過半数割れしたら希望の党がキャスティングボートを持ち、場合によっては「小池首相」が誕生する可能性すら取りざたされた。

 しかし、肝心の小池知事は総選挙に出馬せず、希望の党は首班候補を明らかにしないまま選挙戦に突入した。小池知事の言動が有権者の反発を買ったこともあり同党は急激に失速し、野党第1党の地位すら夢に終わった。

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