2回途中にKOされたダルビッシュに対してグリエルがとった人種差別行為が全米で波紋を広げている(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ワールドシリーズの第3戦がヒューストンで行われ、ドジャースのダルビッシュ有が先発、アストロズ打線に2回途中までに4点を奪われて、早々とKO降板したが、この試合で、全米に波紋を広げる差別行為があった。ダルビッシュから先制点を奪ったのは、二回の先頭で打席に入った元横浜DeNAのグリエルのレフトへの本塁打だったが、意気揚々とベンチに戻ったグリエルは、チームメイトと談笑をしながら、自分の両目を両手で横に引っ張り目を細めるような仕草をした。アジア系の人々への差別と受け取られる行為だ。

ダルビッシュは、グリエルの行為に気づいていたようで、オレンジカウンティ・レジスターのビル・プランケット記者は、さっそく次のようなツイートをした。

「ダルビッシュはグリエルのジェスチャーに気づいていたようだ。そしてダルビッシュは“失礼な行為”だと言った。ダルビッシュは“アストロズにも、アジア人のファンがいる”とも言った」。

 グリエルの人種差別行為の波紋は瞬く間に全米に広がった。

 ロサンゼルス・タイムズ紙のアンディ・マッカラー記者も、自身のツイッターで「ダルビッシュは“失礼な行為”と言い、ダルビッシュはグリエルについて“彼はミスを犯した。そこから学ぶだろう。我々はみんな人間”」とダルビッシュの発言をツイートした。

ダルビッシュも、試合終了後から約1時間半後にツイッターアカウントを使い、心境を綴った英文を投稿した。そこには、このようなことが書かれていた。

「パーフェクトな人間はいない。あなたも僕もそうだ。彼が今日やったことは正しいことではない。けれども、僕は彼を非難するよりも、学ぶように努力するべきだと信じている。ここから何かを得ることができればそれは人類にとって大きな一歩になる。僕たちは素晴らしい世界に暮らしている。ポジティブであり続け、怒りに集中するのではなく前進したい。僕はみんなの大きな愛を頼りにしている」

 グリエルを非難せずに、人種差別をなくすために前進しようと訴えた。

一方のグリエルについては、ヒューストン・クロニクル電子版が、「アストロズのグリエルはダルビッシュをあざ笑ったことを謝罪。MLBが調査へ」というタイトルで報じた。

同紙によるとグリエルは、「僕がやった行為を誰も悪いことだと思わないと思っていた。僕は日本の誰の感情も損ないたくないと思っていた。僕は日本でもプレーして日本をとても尊敬している」と話したという。

 グリエルは2014年に横浜DeNAでプレーしたが、ケガを理由に2年目は来日せず、解雇処置が下され、後にキューバからアメリカに亡命。2016年7月にアストロズと契約をしていた。

  またCBSスポーツ電子版は、グリエルはダルビッシュに話をして謝罪をしたいと発言したことを伝えている。「もちろん、僕は彼と話をしたい。彼は日本から来た選手のなかでベストの選手の一人。彼がそのように感じているのなら、謝りたい」と話したという。

CBSスポーツ電子版は、「グリエルは土曜日にマンフレッドコミッショナーと話をすると考えられている。そして、ワールドシリーズ中の出場停止を含む何等かの罰を科されるかもしれない」と伝え、メジャーリーグ機構から、ワールドシリーズ中の出場停止処分を受ける可能性があるとした。

USAトゥデー紙は、グリエルの処分の可能性について、このように報じた。

「今シーズン、ブルージェイズのピラーが、同性愛者への差別的発言で3試合の出場停止処分を受けている。ワールドシリーズ中に同じような罰が下されることはないように思われるが、メジャーリーグ機構は、忌々しいスピーチについては許さない姿勢を見せてきている」。

 なんらかの処分は下されるとの見通しを示した。

ダルビッシュは2回途中4失点でKOされ、ワールドシリーズはドジャースの1勝2敗となった。
ドジャースのロバーツ監督は、試合後の会見で「ユウは空振りさせたボールが1球しかなかった。速球が思ったところに投げられず、スライダーもよくなかった。全くリズムに乗れなかった」と渋い表情だった。
 しかし、、ポストシーズンに入って好調だったグリエルが、今回の差別行為で出場停止処分を受ければ、ワールドシリーズの行方に大きな影響を及ぼすかもしれない。

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