2年前のラグビーワールドカップイングランド大会の日本代表だった五郎丸歩が28日、生まれ故郷の福岡・レベルファイブスタジアムに現れた。各国の名手が揃った世界選抜の一員として日本代表に相当するJAPAN XVと国際試合を行ったのである。

 世界選抜の名手たちが肉弾戦と陣地獲得合戦でイニシアチブを取るなか、日本の国民的英雄になった背番号15もフルバックとして64分間、躍動。ハイボールの捕球とロングキックなどの持ち味を示しコンバージョンは6本中5本を成功させ、2019年のワールドカップ日本大会を目指すナショナルチームを47―27で下したのだった。

 試合後、ミックスゾーンで大勢の記者に囲まれた。「大きい声出しますよー」と笑みを浮かべ、前半、わずか1点のリードだった接戦を快勝劇にする過程を、こう振り返った。

「世界選抜が力を出し切った結果になった。満足しています」

 対戦した日本代表の課題などについては「僕は指導者ではないのでそれを言う立場ではない。控えておきます」。自身がしばし遠ざかっていることもあってか、組織への突っ込んだ提言こそ避ける。それでも試合をした実感なら、語ることができる。

 例えば、相手の防御システムへの感想。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ体制2季目となる日本代表は、週の頭に集まってジョン・プラムツリー新ディフェンスコーチの唱えるシステムを落とし込んでいる。11月4日に控えるオーストラリア代表戦(神奈川・日産スタジアム)に向け、横一線に揃って前へ出るスタイルを初めて実戦で試していた。

日本代表の左プロップで先発した稲垣啓太曰く、「いい時はしっかりと前に出られていた。悪い時は誰かが(前に)上がって誰かが上がらないことでできたギャップを突かれた」。対する五郎丸も、質問に応じる形でこう展望した。

「(プラムツリー新コーチは)今週、来られたんですよね? (新システムは)まだやり始めたばかりで完成するわけではない。ただ、チームが何を信じられるのか、というところに尽きると思います」

 話題は日本代表の光明についても及ぶ。五郎丸は対戦して凄味を感じた選手にウイングのレメキ・ロマノ・ ラヴァを挙げた。

 レメキはトンガの血を持つニュージーランド出身の日本人で、7人制日本代表としてリオ五輪4位入賞を果たした28歳だ。身長177センチ、体重93キロと小柄でも強靭さが売りで、ワールドカップを目指す15人制代表には昨年11月のツアーでデビュー。今秋は故障離脱期間を経て約1年ぶりに復帰したところだが、世界選抜戦でも試合終了間際のトライを導くなど、迷いなきランを披露した。

 この日は、試合途中に故障で退いた山田章仁、メンバー外だった福岡堅樹らとウイングの定位置を争っているレメキについて、五郎丸はこう話した。

「力強いランナーですし、彼にいかにいい状態でパスを回すかが日本代表の強みになっていくと思います」

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