浅草の仲見世商店街の家賃が16倍に値上がりするという話が話題になっています。これではお店の経営ができなくなるとの声が上がっているそうですが、それにしても16倍という数字は尋常ではありません。何が起こっているのでしょうか。

写真:ロイター/アフロ

 仲見世商店街は、浅草の名所である雷門から浅草寺に続く仲見世通りにあります。狭い道路の両側にお土産屋さんが軒をつらね、独特の雰囲気を醸し出しています。当然のことながら、外国人にも大人気で、常に多くの人で賑わっています。

 仲見世商店街の土地は浅草寺が所有しているそうですが、商店の建物はかつては東京都が所有していました。しかし、今年の7月に浅草寺が東京都から建物を購入し、すべてが浅草寺のものとなったそうです。これまで商店主は平均2万3000円という破格の値段で店舗を借りていたそうですが、浅草寺は実勢価格に合わせて家賃を設定することを決め、商店側に対して約16倍の家賃を要求しているとのことです。

 週刊新潮の報道によると、東京都は浅草寺に対して仲見世は収益事業なので、固定資産税を払うよう強く要請。これを受けて浅草寺は実勢価格までの家賃値上げを決定したとされています。同誌では浅草寺が利益至上主義になっているという切り口で報道しているのですが、これについては様々な意見が出ています。

 ITコンサルタントでブロガーでもある永江一石氏は、むしろ商店側がこれまでの既得権益にあぐらをかいて、儲けてきたに過ぎないとバッサリと切り捨てています。確かに普通の条件で店舗を借りれば37万円するような一等地を2万3000円で借りることができるのであれば、誰でも商売が出来てしまいます。すべての店がそうではないでしょうが、経営努力を怠るところが増えてきても不思議はありません。

 古い寺社の門前町の場合、長い歴史の中で、様々な経緯や事情で商店が店舗を開いていますから、一概に既得権益とは断定できない場合もあります。しかし、家賃が実勢価格の16分の1というのは、どう考えても合理的な説明が付きません。しかも仲見世の場合、インバウンドという今の日本にとってもっとも重要なビジネスの一翼を担っています。日本を本気で観光立国にしたいのであれば、こうした部分はオープンにしていく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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