逆王手をかけた最終決戦に先発するダルビッシュだが滑るボールという難敵が立ち塞がる(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 やはり、金のロゴが施された特別なワールドシリーズ用のボールは滑るよう。ただ、ドジャースのダルビッシュ有もまさか、WSのクライマックスに来てボールが変わっているとは気づかなかった。

 明らかになったのは、第5戦の試合前にスポーツ・イラストレイテッドの電子版に掲載された記事。
 両チームの投手コーチ、選手らが証言し、第5戦の試合前会見では、ジャスティン・バーランダーが「もう、隠せない」と断言した。

「(ロブ・)マンフレッド・コミッショナーが、変わっていないと話しているのは知っている。でも、それが正確ではないという十分な情報がある。だって、一人の投手が、違うと言っているわけじゃないんだ。皆が、(ワールドシリーズ用の)ボールを手にした瞬間、『ワォ!』ってびっくりしてるんだ。作った側は『変わらない』という。でも、(子供の頃から)ずっとボールを握ってきた連中が、『違う』と言う。どっちが正しいことを言っているか、あとは皆が判断してくれ」

 記事の中では、ダルビッシュがスライダーの制球に苦労していたことにも触れているが、確かに、第3戦に先発したダルビッシュは、試合後、「スライダーがかなり抜けてしまった」としきりに首をひねった。

「スライダーが良くないと、カーブも投げられない。それで速い球に合わされてしまった」

 もっとも、その時点では、ボールの変化に確証はなかったという。

「最初の2試合が終わって、3戦目の前に(ダラス・カイケル)とバーランダーが『ボールが飛ぶ』みたいなことを言っているのを、ニュースかなんかで見て、やっぱり飛ぶようなぁって見てたんですけど、(その時は)ツルツルするっていうのは知らなかった」

 ただ、リリースのときの手首の角度を変えたり、リリースポイントを変えたりしながら試行錯誤を重ねたが、まるで修正のきっかけがつかめなかった。ダルビッシュは、「スライダーが無茶苦茶抜ける、ボールが指にかからない」とリック・ハニカット投手コーチらに漏らした。

 そのこともスポーツ・イラストレイテッド誌の記事の中で描写されているが、実はあの日、ダルビッシュはマウンドに上がって初めてゲームボールを手にしたのだという。試合前のブルペンでは、いつもボールを使い、普通に投げた。いきなりでは、適応に定評のあるダルビッシュでも手に負えなかった。

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