電気飛行機の運行が現実的な段階に入ってきました。騒音がなく環境に優しいという電気飛行機ですが、どのようなものなのでしょうか。

英仏海峡横断に初成功したエアバスの電気飛行機 (2015年7月、ロイター/アフロ)

 英国の格安航空会社であるイージージェットは今年9月、10年以内に電気旅客機を運航する計画が存在することを明らかにしました。米国のベンチャー企業であるライト・エレクトリックと組み、短距離路線用の旅客機の開発を行います。ライト・エレクトリックは米航空宇宙局(NASA)や米ボーイング出身者が設立した企業で、電気飛行機の開発を行っています。すでに小型機の試作にこぎつけているそうです。

 航空機メーカーであるボーイングも、ベンチャー企業とパートナーを組み、同じく短距離輸送用の電気旅客機の開発に取り組むことを表明していますし、エアバスも開発を進めていると報道されています。

 小型機レベルであればすでに電気飛行機は実際に空を飛んでいます。今年9月には、スイスにおいて電気飛行機を中心とした新型飛行機のショーが行われました。独シーメンスが開発した電動の小型機が実際に空を飛び、観客を喜ばせています。

 電動の飛行機は動力がモーターですから、従来の飛行機と異なりほとんど音がしません。シーメンスの飛行機もほぼ無音で飛ぶなど、慣れないと少し異様な感じがするようです。しかしながら騒音というのは航空機にとって最大の欠点であったことを考えると、もし電気飛行機が実用化されれば、それだけでも画期的といえるでしょう。

 もっとも現時点ではバッテリーの性能が十分ではなく、実用化の初期段階には自動車と同様、内燃機関とのハイブリッド型などが検討されているようです。しかしながら、電気自動車(EV)の世界では従来の予想を超えるペースでバッテリーの技術開発が進んでいますから、飛行機が完全にバッテリーのみで飛べるようになるのも時間の問題かもしれません。

 電気飛行機のもうひとつの狙いは排出ガスの削減です。ジェット機の場合には、灯油に近い組成の燃料が使われており、運行時には大量の二酸化炭素を排出します。全体の石油消費に占めるジェット燃料の割合は3%程度であり、自動車などに比べると影響は小さいのですが、航空機の方が環境に悪いというイメージは大きいかもしれません。旅客機の多くが電気飛行機に置き換われば、航空業界に対する印象も大きく変わるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)