全世界的なEV(電気自動車)化の流れを受け、日本電産の業績が絶好調です。その躍進ぶりは、厳しい人格で知られる永守重信社長が「とんでもない状況で、まさに千客万来」と思わず口にするほどです。年間の売上高が2兆円を超えるのは時間の問題となってきました。

資料:世界的にEV化の流れが進む。写真はシボレーの電気自動車「ボルト」(ロイター/アフロ)

 日本電産は、ハードディスク・ドライブ(HDD)などに使用される小型モーターを主力とするメーカーで、この分野では断トツのシェアを持つ優良企業です。日本の製造業は弱体化が続いていますが、まさに、日本のモノづくりを支える存在といってよいでしょう。

 そんな同社が近年、力を入れているのが自動車関連分野です。同社では車載用モーターを次世代の戦略製品と位置付け、積極的な開発投資を行ってきました。そこにやってきたのが、全世界的なEV化という強烈な追い風です。もともと自動車の電装化が進んでいる中、各メーカーが一気にEVへのシフトを決めたことから、同社には注文が殺到するようになりました。

 2017年4~9月期(半期)の決算は、売上高が前年同期比26.9%増の7158億円、営業利益は同19.8%増の826億円と大幅な増収増益でした。通期の売上高の見通しは1兆4500億円ですが、受注がハイペースで伸びていることを考えると、売上高が2兆円に達するのは時間の問題と考えられます。

 株式市場では日本電産をはじめ、EV関連の株が高騰する一方、内燃機関に関連した企業の株価は冴えない状況が続いています。技術は常に変化していくものですから、新しい技術を得意とするメーカーが伸びていくのは当然の結果といえるでしょう。

 戦後の70年間に限っても、主力産業は鉄鋼、自動車、半導体、ITと次々とシフトしてきました。日本がモノづくり大国として世界に君臨することができたのは、古い技術を捨て、新しい技術をキャッチアップすることで、変化に対応してきたからです。

 その点からすると、最近は古い技術にこだわり、AI(人工知能)やEVといった最新技術に対して否定的な見解が目立つのは少々気になります。日本電産の業績はすばらしいものですが、同社を特殊な会社とは考えない方がよいでしょう。新しい技術への対応という、モノづくりの会社として当たり前のことを同社は着実に実行しているだけです。多くの企業が日本電産のように経営することができれば、製造業全体の復活はそれほど難しいことではないはずです。

(The Capital Tribune Japan)

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