WS第7戦でKOされたダルビッシュはベンチで呆然。その去就は?(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「なんですかね。本当にワールドシリーズでやり返したいじゃないけど、そういうの(気持ち)がもっと出てくると思うので、そういうチャンスのある球団がベストですけど・・・・」

 ワールドシリーズ第7戦に先発しながら、第3戦と同じ1回2/3で降板したダルビッシュ有。今オフにフリーエージェントになるが、試合後、去就について何を重視するかと聞かれると、そう口にしてから6秒ほど沈黙し、やがて言葉を絞り出した。

「自分はドジャースでやりたいです」

 その機会が与えられるかどうか。

 試合後、地元記者の口ぶりは、一様に否定的だった。

 元々、再契約はない、との捉え方が圧倒的。地元紙オレンジ・カウンティレジスターのビル・プランケット記者がこう解説する。

「おそらく、ダルビッシュの契約総額は、1億5000万ドル(約165億円)を超えるだろう。しかしドジャースは、30歳以上の投手で、さらにこれまで、多くの球数を投げてきている投手との長期高額契約には消極的だ。彼らは、そういう投手の衰えが早いというデータを持っている。同様の理由で、来オフにクレイトン・カーショウが契約破棄をしてフリーエージェントになっても、これだけ貢献してきた投手ではあるが、長期契約をオファーしない可能性もある」

ドジャースはここしばらく、エイドリアン・ゴンザレス、アンドレ・イーシアなど、不良債権化した長期契約に苦しめられてきた。前フロント陣による場当たり的な補強が原因だが、アンドリュー・フリードマン統括本部長とファーハン・ザイディGM(ゼネラルマネージャー)の体制になってからは、方針を一転。5年以上の契約は結ばず、昨オフ、ケンリー・ジャンセンと5年総額8000万ドル(約88億円)で再契約したのが唯一の例外となっている。

 今オフは、FA市場に有力な先発投手が少ない。ダルビッシュとジェイク・アリエッタ(カブス)、そしてジョニー・クエット(ジャイアンツ)ぐらいだろう。となると必然、契約総額は高騰する。この夏、ダルビッシュの代理人は、ナショナルズのステファン・ストラスバーグレベルの契約(7年総額1億7500万ドル)を求めるのではという憶測が出たが、そうなれば、その時点でドジャースは撤退を決める。また、ダルビッシュが31歳で、日本時代も含めると、それなりの球数を投げている時点で長期高額契約はありえないということになる。その点、彼らは実にドライなのだ。