W杯優勝2度の豪州代表の目には日本はどう映ったのか(写真:つのだよしお/アフロ)

 神奈川・日産スタジアムに集まったファンの数は公式で「43 621人」。そもそも72327人収容のスタジアムとあって空席も目立ったが、ラグビー日本代表のゲームとしては史上最多の集客が叶った。

 そこで見せられたのは、オーストラリア代表のトライショーだった。4日、ワラビーズの愛称を持つ世界ランク3位の強豪に同11位の日本代表は30―63で敗れた。要所での反則でいくつもの好機を差し出し、得点機でも落球などに泣いた。

 その日本を、勝ったオーストラリアはどう見たか。
試合後、フランカーのマイケル・フーパー主将とフルバックのカートリー・ビール、マイケル・チェイカヘッドコーチ(HC)がそれぞれ語った。

試合後の会見に出席したフーパーは、「日本の選手たちは、ブレイクダウン(肉弾戦)で素晴らしかったと思います。我々もすごく試される場面が多かった。ターンオーバーも何度もしてこられた」。

その日本をどう攻略したかと聞かれれば、「ただ、我々の方に上手く流れが向いた」とのみ返した。国際舞台で快勝した強豪国の談話では、えてして負かした相手への極端な敬意が目立つもの。今回もその例に漏れなかったが、実相ともリンクしている。

 ジェイミー・ジョセフHC体制2季目の日本は、この秋からジョン・プラムツリー新ディフェンスコーチを招へい。鋭く飛び出す防御網を作り上げている。瞬発力を活かして相手との間合いを詰め、海外勢のフィジカリティを発揮させづらくしようという算段だ。

インストールして約2週間という新システムは、いくつかの局面で機能した。

例えば、日本の初得点が決まる直前の前半13分ごろ。ミスでボールを失うもハーフウエイライン付近で耐え、プロップの稲垣啓太、ロックの姫野和樹がダブルタックルで相手を倒す。刹那、ナンバーエイトのアマナキ・レレイ・マフィがボールへ絡む。相手の反則を誘った。ボール奪取能力で光るフーパーにとっても、「ブレイクダウンで素晴らしかった」と振り返りたくなる場面だろう。

しかしここで注視すべきは、日本の攻略法を聞かれたフーパーの答えかもしれない。フーパーは「我々の方に上手く流れが向いた」と応じたが、日本がワラビーズに「流れ」を与えたきっかけは、ほかならぬ日本のプレーだった。

どちらも取りたかった先制点をワラビーズが決めたのは、フッカーの堀江翔太のタックルが「危険」と見なされたから。ここから失点を招きやすい自陣ゴール前での相手ボールラインアウトを与え、前半5分に0―7とされた。

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