[写真]富岡駅からいわき方面へと向かうJR常磐線。線路のすぐ横には、除染などで出た放射性廃棄物が詰まった黒い袋が積み上げられている。こうした大量の除染ゴミは復興の足枷となっており、その処理は大きな課題だ

 自民党の大勝で終わった衆院選前日の10月21日。JR常磐線の竜田駅(福島県楢葉町)~富岡駅(同富岡町)間の営業運転が、6年7か月ぶりに再開されました。富岡町は津波により駅が流され、原発事故の影響で全域が警戒区域に指定され、全町民が避難しました。今年4月、一部を除いて避難指示区域が解除された同町は、6年半たってやっと復興の端緒についた自治体といえるでしょう。震災からの復興は第4次安倍政権にとっても、重要な課題です。

【写真】「原発の町」富岡町が避難解除 町に少しずつ増える“ぬくもり”と決意の火

「まだ家に戻れてない。これからね」

[写真]開通式を前に到着した列車を笑顔で迎える宮本町長。握手の相手は吉野復興担当相

 10月21日、東日本大震災と原発事故の影響で運休しているJR常磐線の一部区間のうち、竜田駅~富岡駅の営業運転が、6年7か月ぶりに再開されました。

 駅前では、同じ双葉郡内の「ふたば未来学園」(福島県広野町)の高校生たちが、富岡駅に訪れた人たちに、休業している町のお菓子屋さんの焼き菓子を再現して無料で配っていました。ふたば未来学園は、原発事故の影響で避難してバラバラになった双葉郡の子どもたちが再び故郷で学べるよう、この間に休校となった地域の高校の受け皿として2015年4月に開校された県立校です。高校が先行して開校され、2019年から中学も開校して中高一貫校となる予定です。つまり、現在の高校3年生は第一期生となるのです。

[写真]ふたば未来学園の高校生が作った焼き菓子は、行列ができるほどの盛況ぶり

 富岡町から両親とともに避難し、いまは学校で寮生活を送っている2年生の男子生徒は「少しでも地元の明るいニュースのために役に立ちたいと思って、3年生たちが焼き菓子の配布を企画したんで手伝いに来ました」と話しました。

 そのお隣では、地元商工会の女性部が、町の象徴である桜をかたどったピンクの団子入りの「桜すいとん」を振る舞い、小雨が降り続く中での訪問者を温かく出迎えていました。女性部長の三瓶幸子さん(68歳)は、「買い物とか病院行く人たちの中には車の運転が出来ない人もいるから、再開してくれたのはみんな喜んでいる。復興はまだまだ。今日ここに来ている人たちも、まだ家に戻れてない。何とかようやっと、これからね」と、常磐線の再開とともに復興が進むことを期待を寄せます。

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