ショッピングモールの歌姫・半崎美子(撮影:志和浩司)

 “ショッピングモールの歌姫”シンガー・ソングライターの半崎美子が4日、メジャーデビュー後、初の単独ライブ「特選!感謝の根菜盛り合わせ弁当」を東京・EXシアター六本木で開催した。会場は着席で920人と、満員のファンで埋まった。

 デビューシングル「サクラ~卒業できなかった君へ~」は“泣ける歌”として、有線でじわりと人気が広がっているという。

全国各地のショッピングモールで歌い続け、今年春メジャーデビュー

ショッピングモールの歌姫・半崎美子(撮影:志和浩司)

 すでにキャリア17年の半崎は、2007年ごろから各地のショッピングモールを中心に歌い続けてきた。今年春にメジャーデビューを飾り、NHK「みんなのうた」4-5月の新曲「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」などが収録されたミニアルバム「うた弁」を引っさげて、キャンペーンのため全国をめぐった。その集大成ともなるライブにこの日、臨んだ。

 インディーズ時代とは環境が大きく変わったようで、「個人でやっていたころは朝からグッズの搬入とか外回りなどがありましたが、今回はステージに集中できます」との言葉通り、リハーサルからどっぷり歌の世界へ没入。それでも本番前の束の間、頭を切り替えて、報道陣の取材に応えてくれた。

ショッピングセンターの女王と呼ばれることは「ありがたいとしか言いようがない」

ショッピングモールの歌姫・半崎美子(撮影:志和浩司)

  ショッピングモールをまわり始めたのは、ピアノ奏者から『こういう場所があるよ』と教えてもらったのがきっかけという。

 「最初はぜんぜん人に足をとめていただけない状況でしたが、そんななかでも聴いてくれて涙を流してくれた人がいたりという出逢いがありました。この場所が、もしかしたら私にとってすごく大切な場所になるなって気持ちがあって、それから出向くようになりました」

 ようやく手応えを感じ始めたのは、3年ほど前からだという。

 「椅子の並べ方やポスターを貼る位置、アナウンスなど、いろんなことをちょっとずつ工夫し始めて。どうやったら集まっていただけるんだろうって試行錯誤していたら、だんだん人が増えてきて」

 「根菜盛り合わせ弁当」という今回のライブタイトルには、土の中に根を張り続け、やっと少し顔を出すことができて、ここから少しずつ実をつけたり花を咲かせていければ、との思いが込められている。

 「ショッピングモールはもちろん大切ですが、こうしてひとつの作品としてステージを届けるこだわりもあって、どちらもいいところがありますね。(メジャーデビューして)ライブにおけるスタンスや曲作りが変わることはまったくありませんが、新たに出逢ってくれた方々がたくさんいて、すごく広がりを感じます」

 ショッピングモールの歌姫と呼ばれることについては、喜びを感じている。

 「そんなふうに言っていただけるのは、ありがたいとしか言いようがありません。私はこれまで続けてきた活動を継続しているだけなので、いままでやってきたことがひとつのワードとして広がっていくのはありがたいです」

 報道陣から、今後はNHKホールの歌姫に?と紅白出場について水を向けられると、「それはぜひお願いします。皆さん広めてください!」と茶目っ気たっぷりにPRも忘れない。しかし、もし今後どんなにメジャーになっていったとしても、自身の原点を大事にし続けたいそうだ。

 「ショッピングモールは、売れても必ず続けたいです。自分の原点ですし、そこでの出逢いが私にとっての宝物なので。警備が大変に? そうなるといいんですけどね」と笑った。