グランプリシリーズ中国杯の本田真凜(写真:ロイター/アフロ)

フィギュアスケートのグランプリシリーズ中国杯には平昌五輪の女子シングルスの代表有力候補3人が出場した。樋口新葉(16、日本橋女学館高)が優勝したロシアの新星、アリーナ・ザギトワ(15)に、わずか1.36点届かぬ2位に食い込み、三原舞衣(18、シスメックス)も4位に入ったが、本田真凜(16、関大)は5位に終わり明暗を分けた。

樋口はロシア杯の3位に続く2位でGPファイナル出場の可能性を残し、2枠しかない平昌五輪代表の座に大きく近づいたが、本田は、スケートカナダも5位に終わっており、GPファイナル出場は絶望的。
 ただ12月20日からの全日本選手権で優勝すれば、逆転で五輪出場切符を手にできる。また他選手の今後のGPシリーズの成績次第という“他力本願”にはなるが、全日本で2位に入れば、五輪代表の2枠目に滑り込む可能性もゼロではない。本田は今後ローカル大会などに出場しながら再調整を行い一発逆転を狙う計画を練っている。それでも現実的には本田の五輪出場は極めて厳しくなった。

なぜ2人の五輪候補は明暗を分けたのか。

元全日本2位で現在福岡のリンクで後進の指導にあたっている中庭健介氏は、こう分析している。

「SPの演技はほぼ横一線でしたが、FSでは、上位のザギトワ選手、樋口選手、三原選手が、それぞれの世界観を打ち出したのに比べると、本田選手は、長所を生かした自らの世界観を出すことができていませんでした。おそらく先のスケートカナダで、スピンなどにもミスが出たため、ひとつひとつのエレメンツを丁寧にやろうと集中しすぎて、全体で見れば余裕がなく表現力が弱くなりました。本田選手は、無駄な力のない脱力感を持った美しいジャンプを跳べるのも特徴ですが、力を入れるタイミングが遅れ、ここで締める、ここで踏み切り、というゾーンを越えてしまうリスクがあります。その部分が出てしまいました」

  本田はFSで3回転フリップ―3回転トゥループの最初のジャンプが2回転になって抜けるミスを冒してリズムを崩したが、これだけで4点近いポイントを失うことになっている。
 滑り込み不足が指摘されたスケートカナダから中1週間では、さまざまな問題を修正するには余りに時間が足りなかったのかもしれない。

 中庭氏は、全日本優勝にしか五輪出場の可能性がなくなってきた本田の逆転の条件をこう語る。

「幸い全日本までは2か月近く時間に余裕がありますから、そこで課題のSPなどにどこまで磨きをかけられるかですね。エレメンツを意識せずに体が自然に動くようになるまで練習を積めるかだと思います」

 

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