このところ電子マネーなどキャッシュレス化に関する話題を耳にすることが多くなっていますが、とうとう現金を受け付けないレストランが登場することになりました。日本は先進国でも突出した現金大国なのですが、IT化の進展で、こうした環境も変わっていく可能性が高まっています。

ロイヤルホールディングスが展開するギャザリング・テーブル・パントリーのイメージ

 ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングスは1日、支払いを電子マネーやクレジットカードなど現金以外の手段に限定した実験店を開店すると発表しました。開店するのは「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング・テーブル・パントリー)」で場所は東京都中央区の日本橋馬喰町です。同店では、支払いについて現金を受け付けず、クレジットカードや楽天Edy、Suicaといった電子マネーのみを受け付けます。QRコードによる支払いは現時点では対応していませんが、今後、導入する予定としています。

 日本は先進国の中でも突出した現金大国で、小売店など多くの場所で現金決済が日常的に行われています。日本に流通している紙幣と硬貨の総額は90兆円ほどで、これはGDP(国内総生産)の約17%に相当します。企業や金融機関は現金の管理や輸送に莫大なコストをかけており、実はこうした負担は見えない形で経済を圧迫しています。各店舗では釣り銭に対応するため、毎日、大量の現金を用意していますが、その作業量はバカになりません。

実験店の概念図

 ロイヤルが現金による支払いを受け付けない店舗を開設する理由もまさにそこにあります。現金管理をなくすことで、現場の作業を軽減し、効率良く店舗を運営することが可能となります。より少ない人数で店舗を運営できますから、人手不足の対策にもなるわけです。

 日本人の中には現金を使わないことに対して抵抗感を持つ人もいますが、おそらくそれは、単純な先入観に過ぎないでしょう。諸外国の中にはキャッシュレス化の進展によって、街中から現金がほとんど姿を消してしまったところもありますが、消費者の利便性は低下するどころかむしろ高まっています。大量の現金が輸送されることもありませんから、防犯上のメリットも大きいですし、すべての取引が電子的に記録されるのでマネーロンダリングにも絶大な効果を発揮します。

 ロイヤルは24時間営業を取りやめるなど、常に時代の動きを先取りしてきた企業です。その同社がキャッシュレスの実験店舗を出店したということは、日本でもいよいよ本格的にキャッシュレス社会が到来することの予兆なのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

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