320ぶりにNHK杯で復活した宮原知子の5位には五輪代表に近づく価値があった(写真・ロイター/アフロ)

フィギュアスケートのGPシリーズ第4戦のNHK杯が行われ、左股関節の疲労骨折から320日ぶりに実戦復帰した宮原知子(19、関大)は、ショートプログラム(SP)が、65.05点で6位、フリースケーティング(FS)が126・75点の6位の計191・80点で5位という結果に終わった。

 昨季のGPファイナル2位、自己ベスト218.33点を持つ宮原にすれば物足りない成績となったが、宮原自身は、「試合勘など、いいイメージでスタートを切れました。練習通りのことを出せて、点数よりも、今の段階では演技としてはまずまずです」と手ごたえを感じとっていた。

 このブランクを乗り越えての5位という結果と演技内容をどう評価すべきなのか。

 元全日本2位で現在、後進を指導している中庭健介氏は「1年近くのブランクがあり、どれだけの動きができるかと心配していましたが、想定以上の出来で驚いたというのが正直な感想です。五輪代表争いに向けて大きな復活の一歩を踏み出したのではないでしょうか」と、宮原の感触同様に高く評価した。

「フリーでミスが生まれるのは仕方がないことです。それよりも成功したジャンプの質は非常に高いものでしたし、何よりフリーのプログラムから3回転―3回転の数を減らすことなく難易度の高い内容で臨んだ姿勢が評価できます。またプログラムコンポーネンツ(演技構成点)が、しっかりとしたものでジャッジにも評価されました。ジャンプも恐々跳んでいるなという雰囲気もなく、故障の影響を感じさせず、経験と落ち着いた大人の演技、表現力でショート、フリー共に、曲と見事にシンクロしていました。フリーでは4分の時間が短く感じたほどです。宮原選手の強みが健在だったわけです。最悪なのはノーミスで得点が上がらないという結果です。しかし、宮原選手の場合、ジャンプのミスなど修正ポイントはハッキリしていますから期待値が高まります。ミスのあったフリーで最後のジャンプを2回転アクセルー3回転トゥループに変えた“リカバリー能力”も、復活の証ではないでしょうか」

 SPの冒頭の3回転ルッツ+3回転トゥループのコンビネーションジャンプは、2つ目の3回転が2回転となり、3回転ルッツも回転不足と判定された。だが、演技構成点は34.03点をマークしていた。これは、昨年12月のGPファイナルで叩き出したSPの自己ベスト74.64点時の演技構成点33.65点を上回るものだった。リハビリをしている間に、振り付けなど、演技力の向上に力を入れていた効果だろう。ステップなどのスケーティング技術、演技力、曲への同調などは、ブランクを感じさせないどころか、進化していたのである。

 

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