「リクエスト制度」の導入で、いつどう使うかという監督の戦術戦略能力が問われることに?

NPBは13日、来季から審判が下した判定に異議がある場合、監督がビデオ映像を使ったリプレー検証を求めることのできる制度の導入を決定した。メジャーでは、2014年から導入されている「チャレンジ」と呼ばれる制度の日本版で、NPBでは「リクエスト」という名称になる。

 メジャー同様、ストライク、ボールの判定やハーフスイング、自打球、ボーク以外のほとんどのプレーへのリプレー検証を要求することが可能。試合の迅速な運営に支障をきたさないように1試合、2回に限られ、「リクエスト」で判定が覆った場合は、その回数はカウントされない。延長では回数がリセットされ、それまでの使用回数にかかわらず1回使えることになる。

 すでにコリジョンルールの導入に伴い、本塁でのクロスプレー、二塁ベース上の併殺阻止の危険なスライディング、本塁打性の打球についてはリプレー検証が導入されていたが、その判断は監督の要求ではなく審判員が決めていた。だが、今回は監督に要求権が生まれ、その対象プレーも広がった。
 「リクエスト制度」の導入で野球はどう変わるのか?

 元千葉ロッテの里崎智也氏は「より正確な判定でゲームが運営されることになるので日本の野球界にとっていいこと」と、「リクエスト制度」導入に賛成した上で、こんな意見を口にした。

「これまで実際は、ベースから足が速く離れているのにタイミングや流れでアウトとされていた併殺プレー、フォースプレーがより厳密に見られることになるでしょう。プレーヤー側、チームとしても正確なプレーが求められることになりますね。技術のない二遊間はゲッツーが取れなくなるかもしれません。この制度の導入により、そのあたりのスキルアップが必須になると思います」

 里崎氏が指摘するように、これまで併殺プレーでのセカンドベースのフォースプレーに関しては、そこまで厳密にジャッジされずプレーの流れやタイミングが重視されていた部分がある。
「足が離れるのが早かったよな?」「捕球する前に足が離れていたんじゃない?」というプレーにも異議を申し立てないような「暗黙の了解」があったが、これからは“灰色プレー”をしていれば、リプレー検証を要求される対象になるだろう。

 また2回という制限された要求回数をどこでどう使うか、という監督の戦術戦略能力も問われることになってくるだろう。ゲームの流れを見据えながら「ここぞ」という場面で効果的に使うことが、時には勝敗を左右するケースも出てくる。
 序盤に使うのか、それとも終盤に使うのか、も含めて監督には「ゲームを読む力」「我慢」「決断」が求められることになる。もし「リクエスト制度」の使い方をひとつ間違えば、「なぜ、あそこで使わなかった?」とファンの批判を浴びる事態にも発展するのだ。

  メジャーでも、度々チャレンジの使い方が問題にされている。今季のア・リーグのディビジョンシリーズのヤンキース対インディアンズの第2戦でも、ヤンキースのジラルディ監督が、グリップエンドに当たったように見えた死球に対して「チャレンジ」を要求しなかったことで、結果的に、サヨナラ負けで連敗となり、試合後、「なぜチャレンジをしなかったか?」とメディアやSNSでファンに叩かれた。

「リクエスト制度」に助けられたゲームや、その逆のパターンも出てくるだろう。来季は各チームのベンチワークが試されることになりそうだ。
 

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