角界を揺るがしている日馬富士の暴行事件について海外メディアも大々的に報じている。特に関心を持っているのが英国メディアだ。テレグラフ紙は、「神聖なスポーツの『恥部隠蔽』が露呈し、日本が相撲スキャンダルに対処」との見出しで事件を報じた。

「神聖なスポーツの最上位(横綱)にいる力士の1人が酒席の喧嘩に関わり、日本の国技で『隠蔽』が露呈した」と伝え、「モンゴル出身の日馬富士が、飲酒の席で力士の頭蓋骨にけがを負わせた事件で世間を大いに賑わせ、引退に追い込まれそうだ」と続けた。

記事では、2012年9月に横綱に昇進した日馬富士の暴行事件は警察捜査の対象にもなり福岡での九州場所から欠場を余儀なくされている経緯を説明。日馬富士が記者団を通じて暴行した貴ノ岩へ謝罪した点についても触れているが、「メディア内や世間での激しい反発もあり、彼のキャリアを維持するには十分ではなさそうだ」と、今後、引退という厳しい方向に進むであろうという見解を掲載した。

記事では、英語での大相撲評論でして知られ、NHK相撲中継の英語放送を担当しているジョン・ガニング氏の「このような状況で現役を続けるのは無理。彼の相撲は終わった」というコメントを掲載。日本のメディアも、横綱の尊厳を汚したとして同様の引退へ向かうとの論調にあると続けた。

 また「なぜ事件がすぐに相撲協会に伝えられなかったのかが疑問」とし、「過去にもダメージを受けるような記事ネタを隠蔽しようとした体質がある」と、協会の変わっていない体質を批判。この10年間で起きた相撲界の不祥事を「2007年に未成年力士が、親方や仲間力士によるビンや竹刀の暴行で死亡、八百長問題で揺れ、相撲部屋での野球賭博のまん延、力士の大麻所持まであった。組織的な犯罪グループが、いくつかの相撲部屋を通じて協会と近しい関係にあるとも言われてきた」と並べた。

一方で、近年、回復している相撲人気にも触れ、ガニング氏は、「わずか5年前にこのスポーツの人気は過去最低となり場所では空席が目立ったが、状況は改善し、今はチケットを手に入れるのが難しくなっている。東京での先場所は、たった45分で16万枚のチケットが売れた」と伝え、「この事件の反響は大きく、もし隠蔽が行われようとしたことが明らかになれば、さらに状況は悪くなるだろう。しかし、6、7年前のスキャンダルは、もっと深刻なものだった。短期的には影響するが、大相撲人気は過去最高にあり、それが変わるようには見えない」という見通しを述べた。日馬富士スキャンダルが、相撲界人気急落にまで影響を及ばさないだろう、との見立てだ。

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