[写真]イノシシ汁とボージョレ・ヌーボーで乾杯(16日、長野市内)

 イノシシ、シカなど長野県の野生鳥獣の活用を観光や鳥獣被害対策に生かす「信州ジビエフェア」が11月15日から県内や東京などで始まり、飲食店やホテルがジビエ・メニューを展開しています。16日のボージョレ・ヌーボーの解禁に合わせたイノシシ汁の提供など設定は多彩で、「信州ならではの料理を楽しんで」と、女性や観光客の関心の高まりに期待しています。

11月15日の狩猟解禁から来年2月末まで

 信州ジビエフェアは今年で3回目。長野県内で増え続けているシカやイノシシなど野生鳥獣を駆除するだけでなく活用し、信州の独自のメニューとして観光客にも楽しんでもらおうとの狙い。11月15日の狩猟解禁に合わせてスタートし、各地で11月中の開催か、イベントにより来年2月末まで続けます。

 主なイベントのうち「信州ジビエ食べ歩き」は、県内外の飲食店32店舗が自慢のジビエ・メニューを用意し、それぞれ一定期間提供します。軽井沢では特別料理の「王様のジビエ」(2万3000円)を要予約で12月から1月にかけて提供するホテルレストランも。他のホテルでは「イノシシ肉と栗の軽い煮込み」(3000円)や、ジビエのディナーコース(1万6000円)なども。

 県内各地では長野市のレストランの「信州ジビエ鹿カレー」(1850円)、「鹿ロースのロースト」(2900円)、飯田市の「鹿肉のハンバーグセット」(1300円)、諏訪市の「鹿肉のステーキ」(2100円)のほか、東京・渋谷の店は「軽く薫製した信州鹿とフォアグラのテリーヌ」(3240円)を用意するなど多彩。

 変わり種では、かつ丼専門店の数量限定「鹿肉ソースかつ丼」(長野市・1750円)や「鹿の焼きギョーザ」(同・525円)、「鹿肉のみそ唐揚げ」(同・720円)、「鹿ロースの炭火焼き」(飯綱町・4200円)など店主が知恵を絞ったメニューが並びます。

 軽井沢の老舗ホテルは11月20日から来年2月28日までジビエディナー付き宿泊プランを予定。ほかに来年2月、都内で信州ジビエと長野のワインの特別講座を中心にした晩餐(さん)会も県などが企画しています。

 16日には、長野市の飲食店やブティックなどが集まる街路「しまんりょ小路」の店主らが「肉&ボージョレ・ヌーボーNight」と銘打ったジビエフェアの開幕イベントを街区の駐車場で開催。イノシシ汁で体を温めながらボージョレ・ヌーボーで乾杯しました。

 県林務部によると長野県がジビエ振興に取り組んで10年になり、この間、法律に基づくジビエの食肉処理施設は5か所から30か所まで増やしてきました。山野に増え続けるシカなどの駆除に加えて「消費者にジビエ料理に親しんでもらうことでシカ対策も進むことになる」と林務部。同時に観光の面では「宿泊プランと、県内で食べることができる豊かなジビエをセットにして誘客の有力なコンテンツに育てていきたい」としています。


 ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説

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